「荒野の決闘」 - 2019.12.15 Sun
原題だって、「わが愛しのクレメンタイン」ですから。
有名な、アープ兄弟とクラントン一家の、OKコラルでの決闘をクライマックスにするが、史実とはだいぶ変えているらしい。ジョン・フォード監督の撮影終了後に、製作者のダリル・F・ザナックがかなり手を加えたともいう。(20世紀FOXの大立者だからね。マリリン・ファンにとっては、偉そうなザナックは敵みたいなものかもしれない。)
ワイアット・アープのクレメンタイン・カーター嬢への思慕の情をはじめとする、心情描写のほうも豊か。

クレメンタインは上品な女性だが、酒場の歌姫チワワさんは対照的な鉄火女(こういう言い回しは今どき使うのだろうか)で、女性の熱い心情があふれんばかり。

ワイアットが椅子を後ろに傾けて座っている姿とか、帽子の中にコインをいっぱい入れて、それをそのままかぶるとか、ヴァージル(アープ兄弟)が帰ろうと後ろを見せたところを撃たれるところとか、記憶に残るシーンは多い。
難を言えば、決闘の場面。誰がどうしてどうなったのか、よくわからない。見分けのつかない人が複数いるせいだろうか。
そして…いちばん心に響くのは、やはり最後の「私はクレメンタインという名前が好きです」のセリフですね。
(12月14日)
MY DARLING CLEMENTINE
1946年 アメリカ作品
監督 ジョン・フォード
出演 ヘンリー・フォンダ、ヴィクター・マチュア、リンダ・ダーネル、キャシー・ダウンズ、ウォルター・ブレナン
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) 1946 Twentieth Century Fox All Rights Reserved.
● COMMENT ●
ワイアット・アープを
>宵乃さん
西部劇というと、撃ち合いとか、荒くれ者とかのイメージが強そうですが、ほのかな恋心の見える繊細なもので、かつ完成度が高い作品は、めったにないのでは、と思います。
純情なワイアット・アープ。
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こんなロマンティックな西部劇があるのかぁと驚かされた覚えはあります。ラストの「クレメンタインの名前が…」のところはホント沁みますよね~。