「ジョジョ・ラビット」 - 2020.01.22 Wed
素晴らしき傑作(と私は思う)。
最近、メジャーな作品を映画館では多く観てきて、こうした単館系といえる作品はご無沙汰だったが、やはり、いい映画はあるもので、いままで見落としてきただろう秀作も、WOWOWなどで拾いあげていきたいよねえ。
メジャーとは言えないだろう本作であっても、賞レースで健闘中で、はじめから評判がいいから、観る人は多いだろうし、観たら感動できるのではないか。

マイティ・ソーの、あのメチャ楽しかった映画の監督がつくって、彼がヒトラーを演じ、ドイツ軍っぽい服を着た子どもが主役らしい、という予告編などの情報しか知らずに観た。
スカヨハがお母さん役で出てきて、喜んだ私!
あー、もうお母さんをやる年齢? とか考えながら。
ひいき目を抜きにしても、すんばらしい、お母さん。もちろん、脚本によるところは大きい。
それに、男優なんかほめない私だが、主役の男の子が、また素晴らしい。やはり、子役は最強だ。
館内は静かだったが、私にはクスクス笑えるシーンが、ちょいちょいある。いい。監督の持ち味だろうと思う。
温かさと厳しさの絶妙なさじ加減。
靴ひもが結べない、という数度の描写も、最後の最後に効いてくる。彼の成長に感動しないわけがない。
少年が、予想を裏切る反応をすると、ああ、そうだよなあ、そう言うよなあ、なんて、あらためて納得できたり。
子どもなんだよなあ、子どもなんだけど、でも…そういう、心の動きの描き方がとてもよい。
少年たちの軍事訓練から始まって、これから1時間以上、いったい、どんな話にもっていくのかと思ったら、おお、そこへ行くんだね! なるほど納得。ナチス・ドイツには重要な要素。人間の尊厳を考えるときに避けられないテーマに。

気に入った映画を書くときには、うまく書けない。
どこかに、ブラックコメディなんて書いてあったが、え、感動作だよね。
きびしい時代を背景にした、少年の愛すべき成長譚。
(1月19日 イオンシネマ 板橋)
JOJO RABBIT
2019年 チェコ・ニュージーランド・アメリカ作品
監督 タイカ・ワイティティ
出演 ローマン・グリフィン・デイヴィス、トーマシン・マッケンジー、スカーレット・ヨハンソン、レベル・ウィルソン、サム・ロックウェル
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) 2019 Twentieth Century Fox
● COMMENT ●
だから、ヒトラーを親友とするというのは、ジョジョが人を疑らない、悪意の計算の無い、子供にしても稀有な善人であったという事でしょう。それと、もしかしたら、ヒトラーというのは、過激思想の演説とか吐露を往くとこまで往かせる、情け容赦もないが、情実にかまけた嘘つきの政治家というわけでも無い、という事になるかも知れません。
>隆さん
子どもたちのなかには妄信的にヒトラーを信奉する者がいただろうと思いますが、ジョジョの場合もそれに近いのでは。それが、だんだんと変わっていく過程でしょう。
>しずくさん
健闘
タイカ・ワイティテイ監督の作品は『マイティ・ソー バトルロイヤル』しか観てませんが、そこで好評を博していた監督の独特なユーモアが本作でも活かされていましたね。それでいて当時の戦時下の過酷な現実もないがしろにせず落とし込んでいましたし、主人公のジョジョの成長とも相まって全体的にとても見応えがあったと思いました^^アカデミー賞でもぜひ健闘して欲しい良作ですね。
>メビウスさん
私も「バトルロイヤル」のみです(たいていの人は、あの作品で初めまして、だったのでは)。
そうそう、ユーモアがあって、いいのですよ。
偉そうなアカデミー賞は、これは小品すぎて作品賞などあげないでしょうけどねえ。
おそくなりました!!
観客の想像力に委ねられていましたが、、正解でしたね。
余計に心にささりましった。
靴と靴紐・・・・悲しくも、少年の強さをみせて、イイラストでした(T_T)
>kiraさん
あれ、何が受賞したんでしたっけ…もう忘れてる、おばかさん。
そういえば、スカヨハも受賞しませんでしたね…。
こんにちは。
そうなんですよ、ジョジョの成長譚。
それが、ジョジョの周囲に居たのが、母と軍曹とユダヤ人の少女という、ジョジョにとっては恵まれた資質の大人だったのではないか?と思います。
>ここなつさん
子どもだけに、しかも普通ではない時に、周囲の人々による影響は大きいですね。ユダヤ人のことも、言われるままの知識ではなく、自分が会えて知ることができたのがよかったです。
スカヨはんにアカデミー主演助演女優賞W受賞してほしかった
>SGA屋伍一さん
主演候補ってなんの映画です? アカデミーに、ほぼ興味なくなったボー。
お母さんの靴紐を結んで成長をのぞかせるのかと思いきや・・で
最後に感動とともに効いてきた。
よかったです。
>pu-koさん
繰り返し見たいとは簡単に言えないですが、いい映画。
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