「1917 命をかけた伝令」 - 2020.02.19 Wed
第一次大戦下、ふたりの伝令の道のりをカメラが追いつづける。
ワンカットのように見えても、うまくつなぎあわせているのであろうことは、だいたい想定内。
上映時間の2時間で終わる物語ではなさそうなことからも、それは明らかだが、できる限り場面を切らないで見せることの緊迫感、彼らをすぐそばで見つづけているような没入感などは本作の醍醐味だ。

戦闘機が墜落してくるシーンには驚いた。とともに、どうやって撮るんだろうと。
いまはデジタルな合成(追記:つなぎ?)でなんでも出来るんだなと、すぐに思ったけれど…。
こんなシーンをつくれるのは、すごいなぁと素直に、映画技術に感心。(映画芸術、と書かないことに要注意。)
長々とつづく塹壕の中、多くの兵隊をかきわけて歩きつづける。ほかの兵隊たちが何をしているのか、その動きを見るのも興味深い。
敵の塹壕、打ち捨てられた農場、味方の部隊、狙撃、占拠された村…。意外な展開もあり波乱万丈。
川流れからのシーンは多少ラッキーすぎるような、でも、がんばってきたご褒美かもしれないし、そういうことも実際あるかもしれない。

人の命を簡単に奪う「戦争」は、なんと虚しいものなのか、観ながら、ずっと思わされる。その意味でも、いい映画だ。なぜ、殺し合うことになるのか。誰が決めた?
同じ伝令でも、安全地帯を行く場合と、危険地帯を行く場合は、ぜんぜん違うし、安全だと思っても危険だったり、その逆もあったりしたのだろうな。
(2月16日 イオンシネマ 板橋)
1917
2019年 アメリカ・イギリス・インド・スペイン・カナダ作品
監督 サム・メンデス
出演 ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、クレア・デュバーク、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) 2019 Universal Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.
● COMMENT ●
墜落シーン
>ノルウェーまだ~むさん
向こうへ行ったと思ったら、こっち向いて現れるんだから、観客だって、たまげます。ましてや、あのふたりをや(古文)。
戦争映画はたくさんありますが撮影方法の勝利でもありますね!
プロの手腕
戦争映画としての忠実さや緊迫感も凄かったですが、そういったシーンをワンカット風映像や絶妙なカメラワークで魅せている撮影技術に自分も驚いてしまいましたので、プロフェッショナルな職人さんたちの手腕にも見応えを感じる作品でもありましたね。そしてあの戦闘機の墜落シーン、ワンカット風ゆえにおっしゃる通り自分もどうやってるんだろうと不思議でした。
>yukarinさん
普通に撮っていたら、危なくてしょうがないように思うのですけどね~。
作品賞をとるには、多少、小粒気味なのかも。
>メビウスさん
技術的な部分も見ごたえがありました。
映画としてはよくある第二次大戦ではなくて、これは第一次大戦なので、飛行機が複葉機だったりしますが、戦争の悲惨さは同じですね。
緊張しっぱなしでした
>風子さん
そうですよね、全編、お互い敵対する中を進みますから…。
こんにちは
>同じ伝令でも、安全地帯を行く場合と、危険地帯を行く場合は、ぜんぜん違うし、安全だと思っても危険だったり、その逆もあったりしたのだろうな。
正にその通りですね…そしてもしかしたらそれは戦時に限らず。なのかもしれませんね。
>ここなつさん
伝令ってば、敵にとっては「行かれちゃ困る」人物でもありうるでしょうから、危険なこともありそうですよね。
平民のふりして行けばいいかも!?
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戦闘機の墜落は凄かったですよね!?
あれだけワンシーンにこだわったのだから、合成はないかなぁ?と思ったりもしますけど・・・