「沈黙 -サイレンス-」 - 2020.09.19 Sat
江戸時代の日本にわたってきた司祭たちの運命。

私などにいわせれば、もしも信仰心があっても、偽りで踏絵を踏んでもいいではないか、と思ってしまう。
踏まずに殺されたらおしまいなのだから、踏んでおいて、心の中では信仰をつづければいいじゃん、ということですよね。
役人だって、形だけだから、とまで言ったりするし。
その点では、キチジロー(窪塚洋介)は正しいのではないか。
戦いや死に追い込む宗教など、本末転倒では?
(9月19日)
SILENCE
2016年 アメリカ・イギリス・台湾・日本・メキシコ・イタリア作品
監督 マーティン・スコセッシ
出演 アンドリュー・ガーフィールド、窪塚洋介、塚本晋也、イッセー尾形、リーアム・ニーソン
評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
(c) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
● COMMENT ●
潜伏切支丹
>又左衛門さん
公開当時も興味がなくて観ず、NHK-BSで放送したので見てみた程度なので、見比べる気はないですね、いまのところ。
信仰心があったら、もうちょっと興味も出たかもしれません。
おっしゃる通りだと思います。
今も昔も宗教による争いが絶えないことは神の教えと矛盾してますもんね。
キチジローは印象に残りました。
>pu-koさん
気になったり、気に入らなかったりして。
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「神」とは人間が作り出したもの。誰も見たものはいない。
ところで私は、中学の頃、潜伏キリシタン(隠れキリシタン)の島に3年間住んでいた。父の転勤で中一の1学期に、長崎県平戸島の北西に浮かぶ、生月島(いきつきじま)という小さな島に引っ越した。当時はキリシタンの島だとは知らなかったし、普通の田舎の離島だった。現在は平戸と生月を結ぶ立派な橋が架かっているが、当時はフェリーしかなく、真冬には海がしけてフェリーが大揺れに揺れて怖かった。
この作品は、1971年の篠田正浩監督の「沈黙」のリメイクなんですが、このロケ地が、私の住んでいた生月島だったのは映画を観て知りました。犬の散歩で小高い丘に登ると牛の放牧地になっていて、周囲の海がよく見えました。島の一部が柱状節理という断崖絶壁になっており、腹ばいになって下をのぞくと吸い込まれるようでぞっとしました。
この作品の噂をネット上で観たのは随分前で、撮影にかなり時間を要したのだろうか?スコセッシが日本人作家の本に興味を持ってくれたのは嬉しかった。
ところで遠藤周作の息子が、現在フジテレビの社長をしているのはご存じですか? 遠藤龍之介。経緯はしりません。
さてこの映画、日本人が「英語が上手すぎる」(笑)のが不自然。
重要なキチジローが物足りない。篠田版では、マコ岩松のキチジローが抜群の上手さ。監督の演出もあるのだろうけれど、とにかくキチジローは「汚くてずる賢い」人間の弱さを体現しなければいけない。自分勝手で言うことがコロコロ変わる。それこそが人間だから。
アマゾンでレンタルできます。是非どうぞ。