読書記録(2020年9月) - 2020.10.11 Sun

「ストーリー・セラー」 有川浩
2011年本屋大賞第10位。いま著者のことを調べていて驚いたのは、有川浩さんは女性だった!ということ。名前が「浩」だから、男性だと思い込んでいた。「ひろ」と読むのか! 難病になった女性作家と、その旦那さんのお話。小説のなかの作家ならでは(?)の真実と創作のあいまいさのひねりも残る。対になるような2編が同時収録。(9月5日読了)

「名犬ラッシー」 エリック・ナイト
テレビドラマで見たことはあるが、こういう原作だったのかと初めて知った。貧しさのためにラッシーを売ってしまった一家だが、遠く離れた土地からラッシーは家に帰ろうと大冒険をするのだ。スコットランドからイングランドへ! 途中でいい人に出会うか、そうでないかも大きな違いだよね。(9月11日読了)

「盤上の向日葵」 柚月裕子
2018年本屋大賞第2位。高価な将棋の駒を抱いた遺体が見つかり、捜査側と事件関係者の両方の物語が並行して語られる。たまに出てくる将棋の駒の動きの説明部分を読んでも分からないが、関係なく面白かった。ドラマは未見。やさぐれた東明重慶は、おいしい役だろうなあ。竹中直人が演じたらしいが私のイメージではない。(9月29日読了)
● COMMENT ●
将棋ブーム(続)
>又左衛門さん
どんなものでも、それが好きな人だったら、対象物に高額を払ってもいいのでしょうけれども。
向日葵が見える、というのは原作でも終盤のほうで、子供のころの記憶の景色ですね。そのあとに打つべき手が見えるという、感覚的なものなので映像化も難しいのかも。
将棋とAI
子供の頃、よくTVドラマで観ていました。てっきりアメリカの話かと勘違いしてました(笑) あの頃の日本にはコリーなんていなかったからね。わが団地の隣人の家でも飼ってましたよ。子犬なのか、最近は小型に改良してるのかなぁ。たしか提供はミツワ石鹼だったと記憶していますが....
映画版では、ロディ・マクドウォールとエリザベス・テイラーが子役の頃に出てましたね。
さて現実の将棋界では、AIの導入が進んでいます。タイトル戦は大概、アベマTVで観戦していますが、両対局者の勝負の形勢判断は、AIが診断した%で表示されます。そして次に何を指すべきかの「候補手」がいくつか表示され、その中のトップが「最善手」となります。藤井君などはこの「最善手」のとおり指していますね。ところが先日の「竜王戦」では、敗れた羽生善治九段は、最善手が指せませんでした。そしてずるずると負けに近づいて行った....
この羽生さんの不甲斐ない戦いに「老い」を感じました。通算99期のタイトルを保持していた羽生さんですが、100期が遠い。
>有川浩さんは女性だった!ということ
私は調べて知っていましたが、最近性別不明のペンネームを敢えて使う人が増えているような...憶測ですが、女性だと分かると先入観をもたれるのが嫌だと思ってるのかなぁと。男性ぽい作風を狙ってる人もいるでしょう。女性作家はどうしても女性を主人公にしたがる傾向もあるみたいだし....
>又左衛門さん
ABEMAで将棋を見ているという知人は近くにもいますが、私は興味ありません。
作家では私は性別で、えり好みはしませんが、女性作家のほうが読みにくさは少ない気がするので、どちらかといえば好みかもしれません。
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>ドラマは未見
去年の今頃、NHKドラマで観ました。4回シリーズで主役は千葉雄大君。
奨励会を経ずに、途中で編入試験に合格してというのは、めったにないことで、異例中の異例。
>高価な将棋の駒を抱いた遺体
普通は駒よりも将棋盤のほうが高そうに思いますが、実際は逆で、○○作の駒がうん十万円という広告はよく見ます。しかも書体が○○流の○○等々と何種類かあります。有名なのは、「錦旗(きんき)」「水無瀬(みなせ)」のふたつ。違いは良く分からない(笑)。検索してみてください。そして字体を盛り上げた「盛り上げ駒」がさらに高級です。
物語のストーリーはいまひとつ盛り上がりに欠けたような感があり、残念でした。そして最大の問題点は、「盤上にヒマワリが見える」という主人公の話が、どうにも説得力に欠ける点。ドラマでは映像で見せるのですが、意味が分からない。U-NEXTでこのドラマが観れます。
最近、この柚月さんの作品が本屋にたくさん並んでいますね。U-NEXTでは、「孤狼の血」「検事の本懐」等の映像化作品が観れます。
あとひとり、最近よくドラマ化されているミステリー作家が中山七里氏。岐阜県出身だそうで、ペンネームは飛騨川のある地域に因んだもの。この柚月さんと中山さん。ふたりとも、子供時代にシャーロックホームズのファンで、その作品の世界に魅了されたという点が共通しています。