読書記録(2020年10月) - 2020.11.08 Sun

「その年、わたしは嘘をおぼえた」 ローレン・ウォーク
アメリカで最も優れた児童文学に贈られるニューベリー賞の2017年受賞作。嘘をついているのは、どちらなのか。少女は自分が信じたことを貫くために自ら小さな嘘をつかざるをえない。繊細さの上に、こうして心の強さを少しずつ加えて成長していくんだねえ。(10月7日読了)

「マツリカ・マジョルカ」 相沢沙呼
廃ビルに住んでいるらしい、マツリカと名乗る女子高生と、使い走りの「柴犬」男子高生。マツリカさんが話を聞いて謎を解く、安楽椅子探偵風の連作短編集。弱き者への優しみの視線を感じる。高1らしい男子の妄想あり!(10月19日読了)

「ベンスン殺人事件」 S・S・ヴァン・ダイン
ヴァン・ダインが創造した探偵ファイロ・ヴァンス。著名ながら今まで読んだことがなかったので、ヴァンスのデビュー作を。ヴァンスは犯人を早速わかっているふうなのに、お話を長引かせている印象で、けっこう疲れた。でも、ヴァン・ダイン、ファイロ・ヴァンスの始まりは、こういうものなのか、と知ることができたのでOK。(10月29日読了)
● COMMENT ●
読書の秋
>又左衛門さん
ヴァン・ダインは、グリーンと僧正が有名なのは知っていたのですが、デビュー作から行こうと思いまして。
クイーンやクリスティとかも含めて、江戸川乱歩が選んだりした海外推理ものは、中高生のときも読んでいました(子どもなので、あまり理解していたとは言い難いかも)。
京極堂(中禅寺秋彦)の話も、いろいろ長かったですが、外国の小説のほうが、総じて、お話の核心を離れた話になると、つまらなくて、要らんだろ、それ、と思いがちです。
ニコールさんの映画は、なんであれ、見てみたいほうではありますね。
三島由紀夫 没後50年
高校時代は三島由紀夫や大江健三郎などを読んでいました。
なかでも三島の「潮騒」や「金閣寺」には魅了されました。彼の最高傑作は「金閣寺」だと思います。大学に入ってから「豊饒の海」シリーズを読み始めたころ、あの事件が起きました。あの事件からもう50年経ちました。私は事件の報道をラジオで聴きながら、涙を流しました。身内でもない、赤の他人の死に泣いたのは、あれが初めてです。私はあれは「文学的自殺」だと、今では思います。
「豊饒の海」最終巻の「天人五衰」は、それまでの3巻と比べて、中身が薄いと感じました。豊饒の海というのは、月の一部の地域の名前で、名前とは裏腹に、荒涼たる砂漠だという。
三島にしろ、師匠格の川端康成にしろ、芥川も太宰も自殺しています。
ヘミングウェイも自殺。ヘミングウェイのお父さんも自殺だそうです。
>又左衛門さん
いろいろ読みたいところですが、図書館では思ったように借りられないようで…。
買えよ、って話ですね。
すいませんが、三島氏には興味なしです。
NHKプラス
作品の舞台がキューバで、主人公の老人も野球好き。大物釣りに時間を費やす合間に、メジャーリーグの試合のことや、選手について思いを巡らします。「ディマジオの親父も漁師だった.....」そういう時代だったんですね。
ところでBJさん、NHKプラスをご存じでしょうか? NHK受信料をきちんと払っている人なら誰でも無料で観れる、「見逃し配信」です。手続きは簡単。但し総合とEテレの主要番組のみ、PC,スマホで観ることができます(放送後1週間以内)
これで私はEテレの「趣味どきっ!」の「本の道しるべ」を観ています。全国のユニークな本屋が紹介されますが、箱根の強羅に「ブック・ホテル」なるホテルがあるとか。蔵書が1万冊以上あり、宿泊して好きなだけ読めるそうです。本好きな人にはたまらないでしょう。もう大河も朝ドラも録画しなくても、好きな時に好きな場所で視聴できます。
>又左衛門さん
NHKの配信は知っています。WOWOWもありますね、こちらは有料みたいですが。そこまでして見たいものはないので、必要に駆られず、利用はしていません。そもそもアニメと映画とニュースと朝ドラと大河以外で、見ませんからねー。
ブラウン神父シリーズ
ヘミングウェイ......〇
私もよく言い間違いするんですよ(笑)
ヘミングウェイは生涯で4度結婚したそうです。ニコールが演じたのは、3度目の妻になった、従軍記者だった人。
さて学生時代に読んだミステリーでは、チェスタートンの「ブラウン神父シリーズ」が面白かった。トリックが斬新なんですよ。BBC制作でドラマ化されています。シーズン8まで作られていますが、U-NEXTで視聴できます。オープニングのタイトルバックが赤と黒の影絵になっていて、ユニークです。日本の「家政婦のミタゾノ」でパクッてましたね。
NHKプラスではもうひとつ。
漫画家の浦沢直樹氏が、有名漫画家の仕事場に密着して、創作の秘密を探る、「漫勉neo」が面白いですね。初めて観ましたが興味津々。私の好きな諸星大二郎氏が登場しました。
>又左衛門さん
チェスタトンは「知りすぎた男」という連作短編集を読み始めて、文章がつまらなすぎて、やめました(途中でやめるなんて珍しいこと)。ブラウン神父もの(読んだことない)は面白いかもしれませんが。
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だからどうだって言われても困りますが、読書は好きですね(笑)
>S・S・ヴァン・ダイン
高校生の頃、「グリーン家殺人事件」にはまりました。これは怖いけど傑作ですよ。お勧めします。しばらく創元社では絶版になってたと思いますが、また最近発売してますね。それと「僧正殺人事件」。これも有名です。マザーグースの詩(ナースリーライム)に乗せて次々に起こる連続殺人。横溝正史の「悪魔の手毬唄」は、この「僧正殺人事件」の影響を受けていると思いますね。どちらの作品もネット上で手に入ります。
因みにペンネームのS.S.はたしか「Steam Ship」の意味だったと記憶してます。ヴァン・ダインの特徴は、豊富な知識をひけらかす、ペダンチックな探偵像だったような気がします。日本で言うと、京極夏彦作品に出てくる探偵(名前が出てこない。笑)みたいな。
先月、「老人と海」の映画を久しぶりに観たのをきっかけに、原作を読みたくなって、馴染みの古本屋(大阪のネット通販)で、50年前の新潮世界文学のヘミングウェイを買いました。こんな昔の本にも拘わらず、いたってきれいです。
NHKBSでやってた「プロファイラー」のヘミングウェイの回も観て、アマゾンプライムで「ヘミングウェイ&ゲルホーン」も観て、ヘミングウェイをふかぼりしています。この「ヘミングウェイ&ゲルホーン」は、HBO制作のTVムービーなんですが、ニコール・キッドマンとクライヴ・オーウェンが熱演していて、お勧めですよ。