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2017-05

「明日に向って撃て!」 - 2006.01.17 Tue

明日に向って撃て!
今年の1本目は、懐かしの作品を、六本木の映画館で。

この映画を初めて観たのは、1974年。名画座で、併映が「俺たちに明日はない」。いわゆるアメリカン・ニュー・シネマの代表作2本で、タイトル的にも内容的にも似ているところのある作品の2本立てだった。

ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド(これが原題)という2人のアウトローの運命を、爽やかに、ユーモラスに、少しばかり胸がキュンとなる(懐かしい表現だ)悲哀とともに描いた。

特筆すべきは、バート・バカラックの音楽。主題歌の「雨に濡れても」(Raindrops Keep Fallin' on My Head)は、もちろん名曲だが、その他の楽曲も、ポップでモダンで、おしゃれなのだ。私はサントラ盤を買った。まだレコード盤の時代だ。

「雨に濡れても」でポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車に乗るシーンは、まさにミュージックビデオ先取りのような作りだ。キャサリンが髪をいじっているイメージショットのごとき映像まである。
旅行中のいくつかの場面を、ひとつの曲に乗せてポンポンと見せていく方法も、おしゃれだったりする。音楽がいいから、心地よい。

大きなスクリーンで観て、撮影の美しさも、よく分かった。とくに、馬に乗って走るシーン。綺麗に映る風景を探して撮る努力もしたのだろう。

ブッチは頭の切れる、強盗団の首領。サンダンスは、凄腕のガンマン。
銀行や、現金輸送列車を襲って生活をしているのだから、彼らは悪者なのだが、本作では、あんまり悪く思えない。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの演じるキャラクターが憎めないのだ。
おまえらは、きっと、そのうち殺されるぞ、と言われるのが、ラストを暗示し、足を洗って真面目に働くこともできず、しかし、映画は暗くはならずにエンディングまで進んでいく。

おしゃれでポップでモダンなのは音楽だけではなく、映像、脚本、演出、すべてに言える。
好き嫌いは分かれると思うが(嫌いな人は、軽すぎる、演出が不在、とか言うのだろう)、私は大好きである。

アカデミー賞では、撮影賞(コンラッド・ホール)、作曲賞(バート・バカラック)、歌曲賞(バート・バカラック、ハル・デビッド)、脚本賞(ウィリアム・ゴールドマン)を受賞している。

ロバート・レッドフォードは、この映画での役名をとった、若い映画人のための「サンダンス・インスティテュート」という映画研究所を作り、それは、インディーズ映画(大手の映画スタジオではなく、独立系のもの)の映画祭「サンダンス映画祭」の運営もしている。
(1月4日)

BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID
1969年 アメリカ作品
監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス

トラックバックは、明日に向かって撃て!@映画生活様に。

この記事の分類「映画感想(私にとっての永遠の名作)」についての説明は、こちら

評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

忘れられない映画

この映画は、当時としては結構特殊だったと思います。

’69といえば、アメリカン・ニューシネマが吹き荒れる真っ只中、反体制的な
ムードの中、ニューシネマの作り手といえば、反ハリウッドのアウトローじゃ
なきゃイカン!みたいなこっちの勝手な思い込みもありました。

ところがこの映画は、若干の跳ね返り気味なところがあるとはいえ、大スターの
ポール・ニューマン主演で、音楽がリッチなムードのBバカラックですし
監督は「ハワイ」や「モダン・ミリー」といった、観てなくて申し訳ないけど
どう考えてもハンタイセーとは思えないジョージ・ロイ・ヒル。
しかし意外や意外、これが当時の雰囲気にピッタリだったんですねー、これが。

ジョージ・ロイ・ヒルの才能には脱帽です。
「ガープの世界」に至るまでの傑作の数々は、時代のニーズと映画作家の芸術と
ハリウッドのビジネスの幸せな融合ではないでしょうか。
そして彼の才能をしっかり理解していたと思われるニューマンとレッドフォードは
単なる大スターではないことを示していると思います。

そういえば

学生時代デパートで事務のバイトしてたとき、雨が降ってくると「雨に塗れても」の音楽が館内に流れたんですよ。それを合図に、店員さんは商品を入れる紙袋を、ビニールがけしたモノに代えるんですって。と、変なこと思い出しちゃった。

随分むかしにビデオで見たけど結構忘れちゃってます。また見てみようかなぁ。
レッドフォードがサンダンスの名を映画祭に使ってるのってなんだかかっこいいですよね。でもブッチ映画祭じゃなくてよかった。(^^;

>lalakiさん、紅玉さん

lalakiさん、感想では、アメリカン・ニュー・シネマの代表作、と定説のように書いておきましたが、確かに、根本的には深刻このうえない「俺たちに明日はない」などとは違って、ユーモラスでノスタルジックなんですよね。反体制では、ないです。
それまでになかったような新しい感覚の映画、というので、いっしょくたに「ニュー・シネマ」と呼ばれたのだろう、と思います。

紅玉さん、へえー、それは面白いですね! 雨が降ってきた合図に使うなんて、それこそ、おしゃれ!
バカラックの曲は大好きなんですよ。数年前に、コンサートも見に行きました。
サンダンス映画祭、ブッチ映画祭… ほんとだ、かっこよさが違う…。

おはようございます

私も70年代にリバイバルで観ました。もう、夢中になりましたよ。学校では友達と映画の話しか、しなかった(笑)。この映画には「イージー・ライダー」にも通じる滅びの美学があるのですよね~。

>マーちゃん

こんばんは!
私は見るのが8回目でした。(映画を観た年月はノートに書いてあるのです。)
「イージー・ライダー」って興味を引かれず未見なんですよね。(あ、マーちゃんお好きなニコルソン出てましたね!)
いつか、もしかしたら、見る、かも。(笑)

雨に濡れても

白状すると、コノ曲が弾きたくてエレクトーンを習い始めたんですよ~私。そのくらいこの曲の力はすごかった!
え?もちろんばっちり弾けるようになりましたよん。そりゃもー惚れ惚れするくらいっすよん。(聞いてない、聞いてない)

「胸きゅん」、わかりますよー。確かに死語ですね。なんせ♪君に胸キュン♪(by.YMO)の時代の話ですから。(笑)
でも、この“きゅんきゅん”しちゃうのがいいんですよね。これがただひたすら切なくて悲しいだけの作品だったらここまでハマらなかったと思います。

>小夏さん

そうでしょー!
音楽、いいですよねー!! サントラに入ってる曲はすべていい!
小夏さんのエレクトーンが聞こえてきます…感動でキャサリンと自転車に乗りたくなってきました!
そう! きゅんきゅんです! きゅんきゅん!
あ、そういえば、TBしてくださいよー!

No title

TBさせていただきま~す。
って、遅っ!
いやいや、たとえ遅れてもやることはやる女、と言ってくれ!(笑)

>小夏さん!

遅れても、やることはやる女だなー。
…って、やっぱし遅いよー!(メガトン笑)

センスよかったですよね

旅行の写真で繋いでいるシーンは、前に他の作品で似たような演出を見たことがあったんですが、雲泥の差でした。ミュージックビデオみたいな自転車のシーンも好きです。

>宵乃さん

ミュージックビデオみたいなのは、今でこそ、ありふれていますけど、本作の公開当時は、ずいぶん新鮮だったんじゃないかなーと想像したりしますね。


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