「私の殺した男」 - 2022.03.01 Tue
心の重荷に耐えられずに、殺した男の家族に会おうと決心する…戦争で人を殺した者は大勢いるが、こういう気持ちになって、実際に会いに行った人はいるだろうか。
普通なら、相手に憎まれるだけだから行かないだろうけれど、映画だから、もし、こうなったら、こうなって、ああなって、と創作できる。
命の尊さと人間愛と反戦を示すことにもなる。

ライオネル・バリモアの名前が有名なので、主演の若者が彼なのかと思い込んでいたが、あとで調べると、お父さん役の人がバリモアだった。1878年生まれで、このとき、もう50代なんですね。ドリュー・バリモアさんは、彼の甥の娘になるのか?
息子を殺したのは敵国の人間だが、息子を戦地に送ったのは、われわれ父親なのだ。そのような意味のことを、バリモア氏は父親仲間に告げます。
敵国の人間でも、良い人はいる。ただ憎むだけなのは間違っている。当たり前ともいえることを、彼は理解した。
監督だって、ルビッチじゃないですか! よくわからないけど有名じゃないですか! 見といて損はないってやつですよね。
うん、損はなかった!
(2月23日)
BROKEN LULLABY
1932年 アメリカ作品
監督 エルンスト・ルビッチ
出演 フィリップ・ホームズ、ナンシー・キャロル、ライオネル・バリモア、ルイーズ・カーター、ルシエン・リトルフィールド
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
(c) Paramount Pictures
● COMMENT ●
弊記事へのコメント有難うございました。
>オカピーさん
戦争状態のさなかでもあり、今は、そこに結びつけて考えてしまう作品でもあります。
ルビッチは「桃色の店」「天国は待ってくれる」「生活の設計」「ニノチカ」くらいは見ています。
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フィクション(映画、演劇、小説)は、壮大なる実験台ですからね。
リアリズムやリアリティーに拘る余り、こういう映画が、現在少なすぎる。
>敵国の人間でも、良い人はいる。ただ憎むだけなのは間違っている。
全体主義から個人主義への転向。こういう転向は良いですねえ。
プーチンも個人主義になれば、いつでも軍隊を撤収できるだろうに。
>ルビッチじゃないですか!
ビリー・ワイルダーの師匠に当たり、小津安二郎にも多大な影響(傑作「淑女は何を忘れたか」に顕著)を残したルビッチ!
ご贔屓監督で、「結婚哲学」以降の映画はほぼ全部観ています。