「恐喝(ゆすり)」 - 2022.05.25 Wed
当然のように知らずに見始めて、あれっ、サイレント映画か!? と思うほど、最初は無音だった。
映画製作途中で、音のある映画にする話が出たようで、結果的にはサイレントで撮った部分も使用している。

この絵は何度か映されて、観客に(勝手に)何かを想像させる。
男に抵抗して思わず殺してしまった女性。彼女と、その恋人である刑事のもとに、恐喝者が現れる。女性の住む家で営んでいる店にやってきて、おどしにかかるのが大胆で、相手からの暴力には至らないまでも、それはそれで直接的な恐怖だ。
トーキーか、じゃあ、こういうのはどうだ、とばかりに、凶器である「ナイフ」と発せられた言葉に恐れおののくヒロインの図を作出するアイデアなど、のちのヒッチコックらしいサスペンスの切れを時々のぞかせて興味深い。
(5月22日)
BLACKMAIL
1929年 イギリス作品
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 アニー・オンドラ、ジョン・ロングデン、ドナルド・カルスロップ、シリル・リチャード、サラ・オールグッド
好き度☆☆☆(3点。満点は5点)
(c) Wardour Films
● COMMENT ●
弊記事へのコメント有難うございました。
>オカピーさん
そういえば、ネオンサイン、ありましたね。
まあ、ほいほいと男についていく時点で、ちょっと、あなた、いけないんじゃない?と言われそうです。
アニー・オンドラという女優さん、はじめて知りました。オーストリア=ハンガリー生まれで、本名はアナ・ソフィー・オンドラコヴァだそうです。
トラックバック
http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/4030-4b961db6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
で、結果的に英国トーキーの第一作ともなったということですね。
めでたしめでたし。
>凶器である「ナイフ」と発せられた言葉に恐れおののくヒロインの図
その前だったか後だったか、ネオン・サインがナイフに見えるというのもありましたね。
>アニー・オンドラ
しかし、ヒロインを演じたアニーちゃんが外国人で英語が下手だったため、背後でジョーン・バリーという女優が台詞を喋ったらしい。「雨に唄えば」を思い出すと良いでしょう。今ならアフレコで何ともなるのですが。
この間観た1929年の「喝采」というアメリカ映画でも、同時録音故に監督のルーベン・マムーリアンが相当苦労したそうです。