「バルカン超特急」 - 2022.05.27 Fri
このあと、「ミュンヘンへの夜行列車」などにも登場することになる英国人コンビ(主役ではない)、けっこう活躍しました。
邦題のせいか、ほとんど汽車の中での出来事かと思わされていたが、乗車するまでの話が案外長い。
雪崩かなにか(忘れた)のせいで汽車が走らず、ホテルに泊まらざるをえなくなる客たち。ここでヒロイン・カップルが知り合うことになる。
食堂にやってきた英国人コンビが、宿泊客多数のための料理不足のせいで食いっぱぐれる、なんていうユーモアは楽しい。(食べられない当人たちからしたら笑いごとではないが!)

汽車に乗っていたはずの貴婦人が、一夜明けたら、いなくなっている。ほかの乗客に聞くと、そんな人は最初からいなかったという…。
思わぬ危機的冒険を、ユーモアをまぶして、じゅうぶん楽しめる娯楽作。
(5月22日)
THE LADY VANISHES
1938年 イギリス作品
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 マーガレット・ロックウッド、マイケル・レッドグレーヴ、メイ・ウィッティ、ベイジル・ラドフォード、ノートン・ウェイン
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
(c) Metro-Goldwyn-Mayer
● COMMENT ●
2年ほど前に見たはずなんですが
弊記事へのコメント有難うございました。
僕がこの映画に異常な愛着を持っている(数少ない☆5つの作品)のは、やはり映画館での大スクリーン(池袋文芸坐は名画座でしたが、昔はロードショー館だったので、スクリーンはかなり大きい)で見たからですね。しかも、当時はTVも買っていず、アパートに帰れば一人という貧乏学生でしたから、この作品のインパクトは凄かったですよ。
同じ脚本家の「ミュンヘンへの夜行列車」もこの間の「絶壁の彼方に」も、映画館で観られたら、★一つ分くらい上がったかもしれないですねえ。
しかし、演出の巧さは、本作におけるヒッチコックが抜けています。
>思わぬ危機的冒険
まだ第二次大戦は始まっていませんが、既にナチス・ドイツを意識した時局的な内容でしたね。
>マーガレット・ロックウッド
は戦後妖女的になって行くのですが、本作ではストレートな役。
画像問題にしたら、多分、誰も解答しない難問になるでしょうね(笑)
>宵乃さん
汽車から消えるというのは、いわば、準「密室」もの? 窓に書かれた文字は、私でも気づきました。あの字が残ってれば、実在の証拠になる!って。
>オカピーさん
私も名画座で「ブレードランナー」「エイリアン」(どちらも偶然リドリー・スコット監督ですが)を観た印象は、けっこう残っていますね。
感性が純粋なころに(いまは不純なわけではないけれど)、映画館でいい映画の洗礼を浴びるのは幸せです。
国境線(?)で銃撃戦になるとは思いませんでした。
制作年の1938年は、すでにヒトラーが台頭しているとき。大戦が始まる前年ですよね。
ロックウッドさんは、わからないでしょう!
トラックバック
http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/4032-f54847c1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
そういえばヒロインカップルはホテルで出会ったんでしたっけ。薄っすらと苦情を言いに来た男?のシーンが思い浮かぶような…。
かなり怖いお話なのに、ユーモアもあって引き込まれる作品でしたよね。さすがヒッチコック監督です。