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2023-06

「ビフォア・サンセット」 - 2006.02.02 Thu

ポスター
「恋人までの距離(ディスタンス)」の2人が、9年後に再会する。
製作者側は、そこで終われば映画的な美しい夢のまま、とも言える、前作のエンディングで終わらせず、現実を描き続けることを選択した。

名前も住所も電話番号も知らない相手と会うために、彼が選んだ手段は納得できる。そんなに上手く行くかとも思うが、可能性としては「あり」だ。

2人はお互いのこと、お互いの気持ちを話し続ける。歩きながら。カフェで。遊覧船で。車の中で。彼女のアパルトマンで。

前作を観た時点で、すでに続編があることを知っていたので、さあ、あの後どうなったんだろうという興味は津々。
2人はどうなっているのだろうと、野暮だけど、やっぱり知りたいと思うのが人間の好奇心だろう。

今回、2人とも、あまり幸せではないような話の展開がリアルだ。
最後には彼女のアパルトマンに彼は入り込んでしまって…これは、いったい、どうなるの!? でしたね。
あのラストシーンは、お洒落!
まるでフランス映画かなにかじゃないの?という感じ。あ、そういえば彼女はフランス人だ。舞台はパリだしね。

主演の2人が、監督と共同で脚本も書いていると知って驚いた。
この話に入れ込んでるんだね、2人とも。
自分たちが書いたシナリオだからこそ、自分たちの中にあるものを出しているからこそ、実感のこもった会話になるのだろう。

もし、約束の日、会えていたら? 2人の思いが切ない。
数年後にできる可能性がある続編も、観てみたい。

エンドクレジットを見ていて、主演のジュリー・デルピーが歌っているのを知った。これも驚いた!
しかも3曲。しかも、自分で作って歌っている!
オープニングで歌が流れてきたとき、いい雰囲気の歌だなあ、と思ったが、それは彼女の歌だったわけだし、エンドクレジットに流れる歌も良くて、DVDをリピートして聴いてしまったほど。歌手じゃないのかと思うほど、うまい!
調べてみたら、彼女は2003年にCDを出していた! タイトルは“Julie Delpy”。映画で流れた曲も収録されている。サントラ盤とはアレンジは違うかもしれないが。

脚本を書き、歌を作り、歌う。フランス人なのに英語を話せる。(うらやましい。)(英語を話すフランス人女優は多いが。)
ジュリー・デルピー、才能ある人だなあ。
(1月29日)

BEFORE SUNSET
2004年 アメリカ作品
監督 リチャード・リンクレイター
出演 イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー

トラックバックは、No Cinema No Life様紅玉の甘い戯言様ビフォア・サンセット@映画生活様に。

評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)

● COMMENT ●

はいはいはい~!

読みました読みました。また見たくなっちゃいましたー!

>2人とも、あまり幸せではないような話の展開がリアル
そう、ここがね、人生の悲哀みたいなものが見え始める30代の姿が表れてていいなーと思いました。
彼女のアパートに入り込んでも、簡単に距離を埋めないままなのがまたせつないオトナって感じで。もう若気の至り、っていうふうに突っ走れないんですよね。

ジュリー・デルピーは才人みたいですよー。監督もするらしいです。(もう作ったのかな?)
若い頃は、ボッティッチェリの絵画から抜け出たようと評された人ですよね。
セリーヌが歌うワルツ、途中で「ジェシー♪」と彼の名前を歌うとこで、私ゃ涙腺どばー!です。

>紅玉さん

年月が経ち、大人になりました。複雑です。
喋り倒すスタイルは前作と同じですが、全体の感じが、おしゃれですよね。
やはりジュリー・デルピーの存在が大きいと思います。

監督もするのですか。すんばらしい!
あのワルツは、はじめから2人のことを歌った内容に思えますが、そこへもってきて「ジェシー」と言われると、グワーオですね。(なんのこっちゃ)

そこへまた「相手によって名前を変えるのかい」「そうよ」(この通りには言ってないけど)。
これを、どう受け取るか。なかなか大人っすよねー!

ふふ

>そこへまた「相手によって名前を変えるのかい」「そうよ」(この通りには言ってないけど)。
これを、どう受け取るか。

あれはね、女の強がりなの。つ、よ、が、り♪なんちって。

そうやって男を翻弄してるふりをしながら、ほんとは傷つきやすい心を自分で守っているのです。(と、思う。)
でも一般的に男の人って、案外そこまで微妙なニュアンス、気付いてくれないものなんでしょーねー。せつないわー。

>紅玉さん

そうなのでしょうね。分かりますよ~。
彼も、どうなんだろうなあと、探りながら聞いているような。
彼女の答えが強がりである可能性は、彼は気づいているでしょう。
私は、そう思いました。

傍目で観ている映画では分かっても、実際に私自身が渦中にいる場合になったら…もしかしたら、こういうことは気づかないかもしれません。(笑)

トラバありがとうございます

この映画を見る前は続編と知って今度はハッピーエンドになるのかな??と思ってみたのを覚えています。
実際はまさに現実的でしたよね~
時間の経過もそうですがすごくリアリティー感じれるつくりでドップリはまれました。

数年後の、「続編希望派」と「これで完結が良い派」でハッキリ分かれてますね。
僕は俗物なのでどうしてもあの終わった後の展開が気になって仕方ありません
(^^;)

>mobeerさん!

主演の2人が脚本も書いている、というところが、等身大のリアル感みたいなものを出しましたね。

私も続きが観たいですが、続きがある場合は、タイトルがどうなるのかも興味があります。いままでと全然違うタイトルになるのか…。
でも、きっと、いい脚本ができれば、続編を作ると思います。

幸せだったら

きっとこんなお話になってはないと思うけど、
確かにあまり幸せじゃないってのがリアルかもしれませんね。
決して不幸でもなく、むしろ傍から見たら充分幸せそうなのに
心が満たされてないのって、やっぱり切ない気がしますね。

>miyuさん

心が満たされる、って難しいことかもしれません。
ただ、その人の基準によって、ほんの小さなことでも幸せ、と思えば、なかなか素敵な人生になるかも。
人間って複雑ですよね。でも、簡単にしようとすれば、できるのかな。。。?

こんにちは

本当に切ない作品ですよね。初見時はそこまで感情の機微を汲み取れていなかったかもしれないので、いつかまた再見したいです。

>あのラストシーンは、お洒落!

私もこの作品のラストが大好きなので、続編を作ってくれてよかったです。彼らにとっても本当に大切な作品なんだというのが、ファンにはまた嬉しいですよね~。
しかし、ジュリー・デルピーさんの才女っぷりには驚かされます。”天は二物を与えず”なんて誰が言ったのやら。

>宵乃さん

おはようございます。
10年前なので、覚えていませんが!
ラストって、どんなだっけと検索しちゃいました。なんてこった!
でも、2回目に見るときは、深層にある記憶との化学変化によって、はじめて見るときとは違う想いも出るかもしれないので、そのためには1回見ておかないといけないわけです。何を言っているのでしょうか私は。
再見すれば、の話ですけれどね。


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