「ベルファスト」 - 2023.01.23 Mon
白黒映画も好きだし、過去の名作映画のシーンが、ちらほら中身に入ってくれば、映画愛をもつ観賞者の心をさらにつかむことは間違いない。
テレビで映画を見る、映画館で映画を観る。
「リバティ・バランスを射った男」「真昼の決闘」「スタートレック」(のテレビ版)、「恐竜100万年」「チキチキ・バンバン」…。
「恐竜100万年」を観ていて、ボリューミーな主演のラクエル・ウェルチさんのことを、なんだかんだ言っていたのが微笑ましい(?)
一方で、宗教的対立の暴動が吹き荒れる日々でもある。そんな日常だから、ささやかな楽しみも際立つ思い出、経験になるのだろう。
少年を盗みに誘う、ちょいワル娘(こどもだけど)の存在なんかも良い。

暮らしをおびやかされた一家が達した結論は。
おばあちゃんのラストの決め台詞は簡潔だが、刺さる。
“Go. Go now. Don't look back. I love you, son.”
見たときは、最後が son でなくて so だと思ったのだが、IMDb では son になっているし、発音的には微妙な言い方だったなあと。
「行って。行きなさい。振り返らずに。愛しているよ(息子に対して)」
おばあちゃんにとっての息子は、少年ではなく、少年の父親だ。でも、少年にも含めて言っているように思える。
おばあちゃんは自ら、ひとりで残ることを決めたのだろうなあ。
(1月22日)
BELFAST
2021年 イギリス作品
監督 ケネス・ブラナー
出演 ジュード・ヒル、カトリーナ・バルフ、ジェイミー・ドーナン、キアラン・ハインズ、ジュディ・デンチ
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) 2021 Focus Features, LLC.
● COMMENT ●
ご無沙汰しています
弊記事へのコメント有難うございました。
僕も好きですねえ。
ここ数年、わが1年遅れのベスト10の撮影賞は全てモノクロ映画ですよ。モノクロは対象が際立って本当に美しい。
>ちょいワル娘(こどもだけど)
従姉だっちゅう噂もあります。
>おばあちゃんのラストの決め台詞は簡潔だが、刺さる。
あの言葉なしに一家は祖母を置いてロンドンに立てなかったという気がします。いくら気丈とは言え、心配になりました。
こんにちは。
アイルランドって日本と同様島国のはずなのに内戦等々色々難しい問題があって大変ですよね…。
今生の別れとなることを判ってはいても、それでも息子たち一家のより良い生活を願う祖母の気持ちはなんとなく分るな気がします。
>ノルウェーまだ~むさん
so か son か、「サ」くらいにしか聞こえない言い方でした。
おばあちゃんは、ここを離れたくないんだろうな。
>オカピーさん
おばあちゃんが体格よすぎて、はじめはジュディ・デンチさんと気づかなかったですが、お顔を拝見すると、そうかなと思いました。
ラストシーンのいいセリフをいただきましたねえ。
>ここなつさん
アイルランドは、イギリスと隣りあっているのが大きいですよね。
日本はともかくも他国と地続きではないのがラッキーというか。
半年後、生活が安定した一家は、おばあちゃんを呼び寄せたのでした~。なんて後日談があったら、どうしましょう。(どうもしませんが!)
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最期のおばあちゃんの台詞は沁みますね。年老いた親を置いていく決意も並々ならぬものでしたでしょうが、一人この地に残ると決めたおばあちゃんの決意もキリッとしてて良かったです。
アイルランド訛りなのでしょうかね、発音がちょっと違って聞こえますね。