読書記録(2023年4月) - 2023.05.09 Tue

「鏡は横にひび割れて」 アガサ・クリスティー
大女優ゆえの苦しみを描いた描写が、マリリン・モンローさんのことに少なからず当てはまることに、うれしい驚きがあった。1962年発表の作品で、奇しくもマリリンの没年。可能性は少なくても、多少はマリリンのことを思い浮かべて書いたのではないかと想像するのは、ファンとしての自由。動機はシンプルかつ印象的で、わすれがたい作品だ。(4月11日読了)

「にんげんのおへそ」 高峰秀子
義理の母と二人暮らしで、その義母にほとんどお金を搾取されるような生活を長年送っていたとは知らなかった。でも、その後は夫の松山善三と穏やかに過ごしたみたいでよかった。黒澤明や木下惠介とちがって、小津安二郎監督の現場が静かだった、という話は、さもありなん、でした。(4月19日読了)

「愛国殺人」 アガサ・クリスティー
ほんの少し政治的な要素を土台にした(クリスティーだもの、どっぷり政治的じゃ、かえって、つまらない)もので、愛国殺人のタイトルは、どんな意味にもとれる。歯科医が大きな舞台。ポアロも歯医者に行くのはお好きではないようです。(4月28日読了)
● COMMENT ●
高峰秀子さん
やっぱり、私にとっては、「喜びも悲しみも幾年月」です。
小学校に入るか入らないかの頃、両親と田舎の漁師町の体育館(映画館なし)で観た、ある家族の物語。佐田啓二さんよりもクレジットは先でした。10年に一回くらい再見しています。ドラマ化もされました(観ました)。
森繁さんとの「恍惚の人」もなかなかいい。
>又左衛門さん
邦画をあまり見ない私でも、何本かは出演作を見ているという名女優でした。
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