「ヴィレッジ」 - 2006.02.10 Fri

シャマラン監督の映画って、わりと楽しみなのだ。
「シックスセンス」はドンデン返しが評判になって一目置かれたが、「アンブレイカブル」「サイン」と、どこか「トンデモ」系な持ち味があり、変な意味で一目置かれた。
今度は、どんなの作ったんだ?と、大いに不安と期待が。
だいたい、M・ナイト・シャマランという名前が、なんか変。シャマランだかシャラマンだか、よく覚えられないところも困ったもの。(笑)
…それは置いといて、これは、思ったほどトンデモなくなかった。
ビミョーに怖いところがあるが、主題は「愛」と、人間にとっての「理想の共同体」についての、ひとつの考察か。
村人は、森に入ってはならない。そこに住む何か恐ろしいものと契約を結んでいる。
さっそく得体の知れないものの怖さを出してくる。森の不気味さというのは、もともとあるからね。
ホアキン・フェニックス演じるところの若者が、森の外へ行ってみたいと考え出すことから、村の平和に暗い影が差してくる。
そんななか、とんでもない事件が起きるのだが…。この事件は、けっこうショッキングで、ある意味、まだ映画の中盤なのにドンデン返しである。
ヒロインは、ブライス・ダラス・ハワード。もうすぐ公開の「マンダレイ」の主演女優という点で、私は注目して観た。彼女は、ロン・ハワード監督の娘。
「マンダレイ」は、ラース・フォン・トリアー監督の作品で、「ドッグヴィル」の、いわば続編だ。
「ドッグヴィル」に主演したニコール・キッドマンが出演を断ったと言われる「マンダレイ」。その作品に主演しているのは、どんな女優なのか、という興味があった。
その彼女、目が見えないながらも、愛のために一所懸命な、強く優しい女性を熱演していた。
エイドリアン・ブロディが、精神薄弱の役。
私は思うのだが、オツムが弱い演技というのは、ああする他に、やりようはないのだろうか。「ギルバート・グレイプ」のレオナルド・ディカプリオもそうだが、演じ方が、あまりに類型的に見えるのだ。
面白くない。
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「エイリアン」のリプリー(古いですか?)こと、シガーニー・ウィーバー、ずいぶん脇役だったなあ…。
最後近くのドンデン返しに、私は気づいていなかった。あとで、いろんな評を読んで、あー、そうだったのか…?と思ったのだった。
というより、ドンデン返しなのかな、あれ? 気づかなかった人、多いんじゃないかなあ。
シャマラン監督は、偉大なアルフレッド・ヒッチコック監督のように、自分の映画に出たがるらしい。今回は最後のほうで、ほとんど背中しか映らない上司の役だったらしい。(これも私は知らなかった。というより、シャラマン、あ、シャマランだっけ、監督が出演していること自体、考えてなかったから。)
考えてみれば、自分で脚本を書いて、好きなようにハリウッドで映画を作れる、幸せな身分だよね、シャマランさん。
(2月5日)
THE VILLAGE
2004年 アメリカ作品
監督 M・ナイト・シャマラン
出演 ブライス・ダラス・ハワード、ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハート、シガーニー・ウィーバー、ブレンダン・グリーソン
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評価☆☆☆(3点。満点は5点)
● COMMENT ●
好きですよ、この映画。
>小夏さん
というか、覚えていても気づかないかも?(おばかさん?)
監督の顔もねー、よく見てなかったんですよ。これも、見ても気づかなかったかも。
鈍い観客で、シャラマン、いや、シャマラン監督としては、溜め息をついているかも。。。(>_<)
主題とメッセージ
言葉が気になりました。
それはいったい何の事を言ってるんでしょう??
私も分かってないって事かな? (^_^;
知りたいけど、ここには書けないですよね?
私は、この監督は、いつもメインとは違うところに、
自分のメッセージを込めているように思うんですよ~
例えば、「シックス・センス」なら、
メインは 人には見えないものが見える少年だけど、
本当に言いたいところは、ブルース・ウィリスのほうだったし、
「アンブレイカブル」でも、メインはこわれない男だけど、
本題はこわれやすい男のほうだったでしょう?
この作品も、愛とか共同体がテーマだと思いますが、
愛と正義の塊みたいな少女の 意外な裏切りが、
私は一番恐かったです。
>YANさん
たとえば下記のページで、シャマラン論が語られています。その論をどう受け取るかは人それぞれですが。
「ヴィレッジ」の「最後近くのドンデン返し」は年号の件なのですが、そのことも書かれていますので、URLをコピー$ぺーストして、見に行ってみてください。
http://toshy.axdap.com/movie/eigaron/18shyamalan.html
読んできました
一つ一つの考察が、すんなり納得できました。
私が、なんとなく考えていた事と とてもマッチしていたからです。
「ヴィレッジ」の年号についても、それは気付いていました。
あと、「サイン」の解読も、この記事と私は同じような事を書いてましたね~
表現力が異なるので、あのような素晴らしい文章は書けてませんが・・・(^^ゞ
うれしくなりました。
>YANさん
すごいですよね、ああいうふうに、まとめるのって。
私は「サイン」を観たときは、なんだか宇宙人が笑えるし、何かヘンな映画だなー、みたいな印象でした。でもシャマランって、ユニークなので興味を引かれるんですよね。
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私は、箱から取り出した「セピア色」の写真が徐々に「カラー」に変わっていくシーンが好きでした。
>シャマラン監督
顔を知っていたので、戸棚(?)のガラス戸に映った顔で気づきました。
さすがに背中だけじゃわかんなかったと思ふ(^^;