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2023-12

「オフィサー・アンド・スパイ」 - 2023.09.16 Sat

原題は“J'ACCUSE”。「私は弾劾する」。1898年に新聞に載った、エミール・ゾラの手になる公開状である。

ドレフュス事件というのは、現在はどうか知らないが、歴史の授業で教わっている。
とはいえ、詳しくは知らなかったので、今回の映画で知識がついた。
ナチスのユダヤ人迫害は知られたところだが、その前から、フランスでもどこでも差別はあったわけだ。

23-9-16.jpg

主役のジャン・デュジャルダンについては、私は2011年作の「アーティスト」で、サイレント映画ゆえの大げささなどを「好きじゃない」と書いた。
しかし、本作では正義を貫くピカール中佐を演じ通して、文句はない。
組織というのは、都合の悪いことは隠したがる。これは世界共通といってもいいのだろう。

ラストで、ドレフュスが自分の階級が上がらないのは不公平だ、とピカールに意見するが、ピカールは法改正が必要でその希望を通すのは無理だ、と答える。立場が変われば、ピカールも組織にとらわれてしまうのか、とも思えるもので、ああ、社会って難しい…。

(9月16日)

J'ACCUSE
2019年 フランス・イタリア作品
監督 ロマン・ポランスキー
出演 ジャン・デュジャルダン、ルイ・ガレル、グレゴリー・ガドゥボワ、マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ
 
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)


(c) 2019-LEGENDAIRE-R.P.PRODUCTIONS-GAUMONT-FRANCE2CINEMA-FRANCE3CINEMA-ELISEO CINEMA-RAICINEMA (c)Guy Ferrandis-Tous droits reserves

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● COMMENT ●

弊記事へのコメント有難うございました。

>ドレフュス事件

世界史で習い、大昔「ゾラの生涯」という映画でも見、ゾラの作品を読んだ時に解説で経緯を知りましたが、忘れていたので、こうして映像で観ると解りやすくて良いと思いました。
歴史的事件は全部映画にして貰えると助かると、半世紀近く前高校の世界史の授業を受けている時よく思ったものです。

>ピカールも組織にとらわれてしまうのか

僕も、残念な気がしました。色々事情があったのでしょうね(笑)。

>オカピーさん

ドレフュス事件とゾラが関係するのは、覚えていませんでした…。しょうがない生徒だ。世界史の成績は普通でしたが。
歴史が映画になったら覚えやすいですが、いったい何本の映画が必要になるのでしょう。

ポランスキー作品でいちばん好きなのは「吸血鬼」なのですが、息の長い作家になりました。


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オフィサー・アンド・スパイ

1894年、フランス。 ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。 ところが諜報活動の責任者に任命されたピカール中佐は、教え子でもあったドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見した。 上官に報告し対処を迫るが、国家的なスキャンダルを恐れた上層部は組織的な証拠隠滅を図る…。 歴史的冤罪事件「ドレフェス事件」の顛末。

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という感じ。★を0.5点とします。星5つは、ほとんどつけませんから、4.5点なら最高と言えます。 自分にとって面白いかどうかが重要で、世間の評判や、意義がある映画である等々は重要視しません。
好きだなあと思ったら3.5点に星が到達。


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  • Author:ボー・BJ・ジングルズ
  • HP「シネマ停留所」の管理人でもある。♂。単純に映画が好き。綺麗な女優が好き。マリリン・モンローさんは、わが永遠のミューズ。

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