![]() 脚本が、うまい。 思わず2回ほど泣かされた。嗚咽しそうになるほど。しかも、ラストではなく途中でだ。 涙腺が弱いのは折り紙つきの私だが、他の観客からも鼻をすするような音が聞こえていたので、あながち自分だけの現象ではあるまい。 後から考えると、伏線が見事にできている。感心した。 一歩間違えたら、あざといのかもしれないストーリーだが、そう感じさせないのは、やはり、映画作りの技術が巧いのだろう。 原案はポール・ハギス。あの傑作「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家だ。その彼が共同脚本、監督も務めた一作。 ロサンゼルスに住む人々の群像劇である。 物語を構成していく主な登場人物は、両手の指でも足りないくらいの数だ。 その中の誰が主役というわけでもない。 私が印象に残った順番に、あえて書いてみれば、下記の「出演」欄の通り。 他にも、サンドラ・ブロック、ブレンダン・フレイザー、サンディ・ニュートン、ジェニファー・エスポジト、ウィリアム・フィトナーなど、大勢の俳優の短い時間の、ここぞという演技合戦があるわけで、それを楽しみに観るのもいいかもしれない。 ![]() 出演欄の最後に挙げた、アシュリン・サンチェス嬢は、鍵屋さんの幼い娘の役。彼女の行動と、その一言には、世のお父さんたるもの、号泣かもしれませんよ。 個人的には、自動車強奪の2人組のリーダー格アンソニーを演じたクリス“リュダクリス”ブリッジス(彼はラッパー・ミュージシャンでもあるそうだ)と、テレビディレクターのキャメロンを演じたテレンス・ハワードが、いいと思った。 いい人間、悪い人間、と単純に言えないところもあるのが、人間の複雑さなのか。 ほんのちょっとしたことで、運命は変わる。 他人を助けたり、助けられたり。窮地を脱するか、窮地に陥るか。それは、紙一重の違い。ほんの少しの解釈の違い、行動の違いが、大きな差を生んでいく。当たり前のことだが、愛と思いやりの大切さが胸に沁(し)みる。 ロサンゼルスの街で、さまざまな人生が交錯していくさまは、ドラマチックで見応えがある。 バックに流れる賛美歌のような音楽も感動的。 出演者のひとりドン・チードルは、プロデューサーも兼ねている。映画界でパワーを持っている俳優さんなんだね。 そして、人種差別、銃社会の現実は、アメリカに住む上では避けて通れない問題なんだな、と改めて思った。 (2月26日) CRASH 2004年 アメリカ作品 監督 ポール・ハギス 出演 ドン・チードル、クリス“リュダクリス”ブリッジス、テレンス・ハワード、マット・ディロン、ライアン・フィリップ、ショーン・トーブ、アシュリン・サンチェス ![]() トラックバックは、クラッシュ@映画生活様に。 評価☆☆☆☆(4点。満点は5点) ![]() |
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人種をエスポジトしたいはずだったの。
いいなー
これ見たいんだけど、体調不良やら諸般の事情でいまだ見に行けず。うちのほうでは公開ももう終わっちゃいそうな気配だし。。。 ボーさんのレビューを読んだら余計見たくなりました。 アカデミー絡みなんだからもっと派手に公開してくれい。
[2006/02/27 22:15]
URL | 紅玉 #-
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>ノーマ・ジーン、紅玉さん
ノーマ・ジーン、「人種をエスポジト」、鋭いとこ突いてるね!? 「エスポジト」って、なんか響きが面白いと思ったでしょ! 紅玉さん、ええっ、公開終わるんですか? 言われてみれば、これ、単館系の公開ですね。 アカデミー作品賞候補は、「ミュンヘン」以外、みんなメジャー系の製作じゃないので、公開もあまり拡大しないのかも。 主演男優賞本命の「カポーティ」なんて、秋になって、やっとシャンテ シネで公開予定なんですよ!
[2006/02/27 23:48]
URL | ボー #0M.lfYJ.
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こんばんわ!
ボーさん、お知らせありがとうございます♪ 飛んで来ました。 んで、読んでますます観に行きたい衝動が疼いてます^^; まぁ、暴れてもどうなる事でもないので大人し〜くDVD発売まで待ちます。 見てないから何とも言えないですけど、予告編だけ見ても、その人の職業、家庭、人種、含めて、普段表に出さないようにしている人格が一気に暴れだす、LA。 しかし、「ホテル・ルワンダ」と言い、ドン・チードルが出てる映画、田舎生活には縁がありません。。。
>uniko@ニャンくんさん
読んだら、その映画を観たくなるというのは、とても嬉しいことです。 こうなったら、暴れてみてください!? 上映している町まで突撃してください!? ドン・チードル、売れてますよねえ。テレンス・ハワードという俳優も、次に主演作が来ます、たぶん。 有色人種(という言い方もどうかと思いますが)俳優の出番が多い映画でもありました。
[2006/03/02 08:44]
URL | ボー #0M.lfYJ.
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遅まきながら・・・
やっと見れました、「クラッシュ」。TBさせていただきやっす。 この作品も「ブロークバック」も、ひっそり終わるかと思いきや、アカデミー効果で拡大公開されていって、地元の映画館で見ることができました。 よくできてましたね。最初は「ちょっとしんどいかな」と思ったんだけど、見ているうちに引き込まれてました。透明マントの娘、泣かせますね。 女優陣の中でも柱になる役がサンドラ・ブロックとサンディ・ニュートンでしたけど、あえて魅力的に見えない演じ方をしてましたよね。特にサンディ、被害者的立場なのに、なぜか好感が持てなくて、ある意味「すごい」と思いました。わたしだけかしらん。
[2006/04/19 21:42]
URL | 紅玉 #-
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>紅玉さん
おー! まだやっていたんですね「クラッシュ」! そうでしょー。わたくし、事故から助け出すシーンと、少女が父親を守ろうとする2つの場面で、泣きの発作に襲われたのでございます。 サンディ・ニュートン、夫の立場としたら、あんなふうに責められたら、いいかげんにせーよ、と思いますね、きっと。気持ちはわかるけど。お互いに、わかっちゃいるけど、どうしようもないってところなんでしょうかねえ。 自己中心的な役柄が、お得だったといえるかも。
[2006/04/20 00:50]
URL | ボー #0M.lfYJ.
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ううーん
サンディ・ニュートンの役柄ですが、・・・ あれ、パンツの中に手を入れられてるんですよねぇ。 そんな事を夫の目の前でされて、相手が警官だからと、何も言えないのでは、さすがに女性としては腹が立つのは当たり前だと思うのです。 テレンス・ハワードの役どころは、普段から人と争わずに、平和的に生きてきた人だったのですよね。 そういった人すら、そんな嫌な目に合わされることもあると。・・・ 彼が暴走する姿は、まるでやり場のない良心の代表のように思えました。 長文すいませんでした。 いえいえ、ありがとうございます。 人間が権力を持つこと、というのは、本当に深い問題だと思います。 平等という思想と矛盾しますしね。 そういう意味で悔しい思いをする場面なんて、たくさん出てくる可能性があるわけで…。 そんな断片をすくって見せたことは、意味がある映画に思えました。
[2006/11/18 20:28]
URL | ボー #0M.lfYJ.
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今頃ですが・・・
ボーさん、こんにちは! いつも人よりかなり話題に遅れてます。 この作品は、ボーさんの言うように、脚本が本当に良かったですよね。 あれだけの登場人物がいながら、ゴチャゴチャにならないように、 整理されてましたもんね。 どのエピソードも感動的だったし。 >愛と思いやりの大切さが胸に沁(し)みる 結局はこれだと思うんですよ〜 これがあれば、差別や戦争も防ぐ事ができますもんね。
>YANさん
コメント&TBありがとうございます! うーむ。観てから、もはや1年半も経ってしまったのですね。 ホントに、上手なエピソードを作って積み重ねていったな、という映画。 愛と思いやり、大事ですね。忘れないようにしたいものです!
[2007/10/21 22:27]
URL | ボー #0M.lfYJ.
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或る日の出来事 |
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