「レント」 - 2006.05.08 Mon

素晴らしかった! 主役8人のうち、1996年のブロードウェイ・オリジナルキャストが6人(ロザリオ・ドーソン、トレイシー・トムズ以外)揃ったメンバーの歌唱は、さすがに聴き応えがあって満足した。その中でも、とくに私が素晴らしいと思ったのは、ダンサーのミミ役のロザリオ・ドーソンと、モーリーン役のイディナ・メンゼル。
ロザリオ・ドーソンといえば、「シン・シティ」で私は初めて注目した人だが、この映画を観ている間じゅう、同一人物とは思わなかった。なんだかイメージが一致しなかったのだ。
彼女のパワフルな歌い方、すごく好きだ。ちょっと、パット・べネターを思わせるところも。(あくまでも私がそう思っただけですよ。)
可憐さもあるし美人だしで、こりゃあ、今後、要チェックですよ!
イディナ・メンゼルは、ライブでのパフォーマンスが独特で面白く、やっぱり彼女についても、声が好き。
ベニー役のテイ・ディグス(映画「シカゴ」では、話の進行役を演じていた人)と、「レント」の舞台で知り合って、結婚したのだそうだ。
1989年のクリスマスイブ。ニューヨークのイーストビレッジ。未来にかける若き芸術家たちの暮らしは、去年の家賃(レント)も払えないほど苦しいものだった。麻薬、エイズ、同性愛。映画は、その日その日を精一杯に生きる若者たちの1年を描いていく。
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(c) 2005 Sony Pictures Entertainment,Inc. All rights reserved. |
この映画を知ったのは、劇場での予告編。ところが、その予告編、日本語字幕がなくて、数人の男女が並んで立って歌を歌っているのだが、意味が分からず、映画の予告編なのかどうかも分からなかった。何なんだ、これは! というので、いらいらさせられた。
その後、字幕入りの予告編にも出会って、理解できた、という経緯がある。
とにかく、ミュージカルなら観たい、という気持ちで観に行ったわけだ。
脚本・作詞・作曲のジョナサン・ラーソンがプレビュー公演前日に35歳で亡くなったことも、舞台で大ヒットして、ピュリッツァー賞まで受賞したことも、観る前は何も知らなかった。
2曲目が、もろにロックで、え?ロックミュージカルなの?と思ったほど。初めは少し面食らったが、その後、いろんなタイプの曲が出てきて飽きなかった。
なにしろ、曲が次々に歌われる。終盤以外は、普通のセリフはほとんどない、といっていいくらいかも。
耳に残るのは、やはり、みんなが並んで歌う1曲目の“Seasons Of Love”。予告編でも聞いたし、いい曲だと思う。
店の中で、みんなで歌う歌も楽しい。
若き芸術家たちの麻薬、エイズというのが、テーマとしては少し古いようにも思えるし、ブロードウェイ・キャストをもってくるとは、単に、ヒット舞台を映画に置き換えただけじゃないか、ということでもあるのだが、逆に、なかなか観られない舞台を映画で観ることができて嬉しい、ということにもなる。
映画になって、舞台より素晴らしくなった点があるのかどうかは分からない。舞台そのまんまかもしれない。
これが、たとえばアラン・パーカー監督(「フェーム」「ザ・コミットメンツ」「エビータ」)が手がけたら、もっとシャープさが加わったりしただろうか。
先日、同じくブロードウェイのヒット作を映画にした「プロデューサーズ」を観たが、それよりも、「レント」の言ってみれば青臭いようなパワーのほうが私は好きだ。
私は、途中から、ぼろ泣きでした。
キャラクターも立ってる! それぞれが個性的で、主役陣に、これほどはっきりとした個性の違いがあるのも珍しいのではないか。と私は思う。
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ラストも好み。まさか、あんなことになるとは。悲しみだけでは終わらせず、希望を持たせた終わり方、好きです!
そして、もういちど言う。ロザリオ・ドーソン、いいです!
しかし最近、映画館で観ている映画、同性愛が入っているものが多いこと。「ブロークバック・マウンテン」「プロデューサーズ」「「V フォー・ヴェンデッタ」「ぼくを葬る」、そして「レント」。狙ってるわけじゃないのに。
(5月7日)
RENT
2005年 アメリカ作品
監督 クリス・コロンバス
出演 ロザリオ・ドーソン、イディナ・メンゼル、ジェシー・L・マーティン、ウィルソン・ジェレマイン・へレディア、トレイシー・トムズ、アダム・パスカル、アンソニー・ラップ、テイ・ディグス
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評価☆☆☆☆(4点。ミュージカルが好きだから採点は甘め? 満点は5点)
● COMMENT ●
あ、やっぱり!
>香ん乃さん
ぜひ観てみてください。感想を楽しみにしています。香ん乃さんが気にいるのかどうかは、さっぱり見当がつかないですが…。
私はミュージカルなら、それだけで、かなりOKなので。
同姓愛
面白かったです。本物の舞台はどんな感じなんでしょうね。一度観てみたくなりました。
たしかにここんとこ同性愛ネタの入った作品が多いですね。
>pocketwarmerさん
そういえば、舞台も上演するような話がありませんでしたっけ?
見比べてみたいけど、舞台のチケットは高価そうで…。
同性愛が入った映画、より普通のことになってきた、ということでしょうか。
また遊びにきてくださいね~。
自分でも、
こんばんは、BJさん。香ん乃です。感想文書書いて、文中リンク&TBさせていただきました。
ロザリオ・ドーソン、パワフルなのにキュートで、すばらしかったですね。ああ、よい映画でした。よい音楽でした……。
>香ん乃さん
ハマるかハマらないか、けっこう分かれる映画じゃないかと思っていたので。
ロザリオ・ドーソン、「シン・シティ」では、もっと大人の女に思えたのですが、ここでは若さのほうが前面に出ていて、驚きでした。
映画との、いい出会いの、ひとつ、です。
こんばんは!
改変された部分結構ありますよ。
まず大きな違いは舞台では2幕の頭で歌われる
「SEASONS OF LOVE」をど頭に持ってきたこと。
本来は歌であった部分が台詞に変わっているところ。
舞台版はずーっと音楽で繋がっているので、台詞はないに等しいというところ。
なんにせよ、仰る通り、ブロードウェイに行かなければ見られない作品や、「ドリームガールズ」のように舞台ではもう観られない作品がお手軽に観られるのは嬉しい限りです。
これからもmusicalの映画化に是非期待したいです。
>咲太郎さん
あの歌は2幕の始めだったのですか!
舞台との違い、教えていただき、ありがとうございます。
貴サイトのYouTube版の歌、拝聴しました。改めて、いい曲だなあと思い出しました。
ミュージカル、たくさん映画になってほしいですね。
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