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2020-02

「ブーべの恋人」 - 2006.06.02 Fri

DVDジャケット(外国版)
クラウディア・カルディナーレの魅力と、音楽の魅力。
獄中の男を待ちつづける純愛の切なさ、美しさ。
数年ぶりに観たが、やはり大好きな映画だ。

映画が始まってすぐ、カルロ・ルスティケリのお馴染みのメロディが流れてきて、私は早くも陶酔してしまう。
中学生の頃にプレゼントで買ってもらった「ヨーロッパ映画音楽ベスト」のLPレコード盤に、「ブーべの恋人」も入っていた。それほどの名曲なのである。その頃から耳に馴染んでいるから、もう「刷り込み」状態。このメロディが聞こえてくれば、ああ、いいなあ、と思ってしまうのだ。

うっとりするメロディに続いて、オープニングは、走る列車から外を眺めているクラウディア・カルディナーレさんの横顔。(彼女は、マリリン・モンローさんのMM、ブリジット・バルドーさんのBBと同様に、名前のイニシャルから「CC」と書かれることがあるので、ここでは以後、CCと表記する。)
なんて美しい…。
私など、ここで、すでにKOされてしまうのだった。

今回、改めて気がついたのは、CCが、かなりのハスキーボイスであること。うん、それも、また魅力なんだな!

お話は…。
第2次大戦でイタリアは降伏したが、マーラ(CC)の兄はパルチザン(民衆によって組織された非正規軍)であり、戦いの中で死んでいた。同志だったブーべ(ジョージ・チャキリス)がマーラの家を訪ねてくる。
やがて2人は恋に落ち、親同士の間で婚約が結ばれる。
しかし、ブーべがトラブルに巻き込まれ、殺人を犯し、指名手配となり…。

この映画のCCは、強気でワイルド、気まぐれ、わがままな、猫っぽいイメージ
家での食事で、スープを飲みながら、座っている板切れ(?)に体重をかけて、(てこの原理で)バンバンと音を立てている場面(うまく説明できないぞ!)なんて、いたずら猫っぽさ全開! 一緒にいるブーべを意識して、自分の存在をアピールしているのが、よく分かる。

ところが奔放で手に負えない女かと思えば、そうでもない。ブーべの寝顔を見ている表情に、純粋な恋心が見えたりして、微笑ましく可愛いのだ。
その恋心を、テーマ曲が絶妙に盛り上げる。
靴やバッグを買ってくれる?なんて甘えるマーラ。いつの世も、女性は同じ? 金ならたくさんあるんだ、とブーべのように言ってみたいものだ。(笑)

ブーべと離れ離れになってから、新しい男と出会い、揺れる心。しかしマーラは、新しい男の優しさに癒されはしても、ブーべを裏切ることはできない。
なんとも古風で純粋ではないか。と、ともに、あたしが付いてなきゃ、この男はダメなのよ、という雰囲気もありそうな…。


ブーべ(ジョージ・チャキリス)とマーラ(クラウディア・カルディナーレ)
(c) 1963 Lux Film-Ultra Film-Sicilia Cinematografica.
All rights reserved.

新しい彼とデートで映画「哀愁」を観る場面がある。ヴィヴィアン・リー主演の名作だ。イタリア語の吹替え上映だった。
日本は字幕上映が多いが、外国では、その国の言葉に吹き替えて上映されることが主であるらしい。
上映中、席で2人、ぺらぺらしゃべっていたけど、迷惑にならないのかなあ?と、ちょっと不思議だった。昔は、映画を観るときは、大らかだったのかな? 戦後すぐの時期で、とにかく映画を観られるという平和な娯楽が嬉しかったのかもしれない。

CCといえば、1959年のピエトロ・ジェルミ監督による名作「刑事」で有名になったのではないだろうか。ラストの彼女のシーンは名場面だし、こちらも音楽はカルロ・ルスティケリ。「♪アモーレ、アモーレ、アモーレ、アモレミーオ」という歌詞は、多くの人が聞いたことがあるに違いない名曲だ。
カルロ・ルスティケリの2つの映画音楽の名作に、どちらもCCが出演しているのは面白い。

CCは美人コンテストで優勝したことがきっかけで、映画界に入ったというから、折り紙付きの美女なわけだ。
でも、演技力がなければ、映画界で生きてはいけないのも事実。
「ブーべの恋人」は1963年の作品で、彼女にとっては、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」や、フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」などと、ほぼ同時期の映画だ。
しかし、「ブーべの恋人」での彼女の初々しさ、みずみずしさを見ると、もっとキャリアの浅い、初期の頃の作品なのではないかと思わされてしまう。(白黒映画のせいも、少しはあるかもしれないが。)
恐るべし、CCの演技。

ストーリー的には、それほどのことはない。が、有名な女優、有名な音楽に彩られ、純愛映画の古典的名作に昇華した作品である。
映画ファンなら、一度は観て、感想を聞かせてほしい。古臭いと思っても、それはそれでいいから。

(5月24日)

LA RAGAZZA DI BUBE
1963年 イタリア・フランス作品
監督 ルイジ・コメンチーニ
出演 クラウディア・カルディナーレ、ジョージ・チャキリス、マルク・ミシェル、エミリオ・エスポジト

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評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

おおっ!

「ブーベの恋人」!曲は私も大好きです!
遥か昔、YAMAHAエレクトーンコンサートで弾きましたよ。
私もこの曲を聴くと昔を思い出して懐かしい気分になりますねぇ。(遠い目)

あっ!映画映画。(^^;
当然未見です。チェックリストに加えておきますね。

>小夏さん!

こういう、旬の映画ではない記事にはコメントがつきにくいので、小夏さんの食いつきの良さは、とても有り難いです!

やっぱり、曲は知ってますよね!
でも、「マーラのテーマ」と「ブーべのテーマ」と、あるのですよ。
マーラのほうは、サックスか何かの演奏で、色っぽい。
ブーべのほうは、弦楽器でリリカルな感じ。

映画は、機会があれば、ぜひ! テレビ放送では、あまり見ないようですけど…。

「せつなさ」の魅力

「ブーベの恋人」ですか。
この題名を聞いただけで、あのメランコリックなテーマ・ソングが頭の中に響き、
「せつなさ」がこみ上げて来ます。

考えてみると、イタリア映画には「せつない」名作が多いです。
私の映画の神:フェリーニの「道」、デ・シーカの「自転車泥棒」や「ひまわり」
などがすぐに思い浮かびます。

ルスティケリも「せつなさ」映画音楽の西の横綱ですが、東の横綱はなんといっても、前述の「道」「太陽がいっぱい」「ロミオとジュリエット」「ゴッドファーザー」のニーノ・ロータですね。(フェリーニ映画の「せつなさ度」は超高い!)

「花のささやき」「ほほにかかる涙」など、当時、世界のヒットチャートを席巻したイタリアン・ポップスも「せつなさ」のオン・パレード。

今日は早速、イタリア関係のCD引っ張り出して聞くことにします。

ふふふ

学生時代にテレビで放映されてるのを見たことがありまーす。
でもほとんど忘れてしまった・・・。そして音楽も思い出せない・・・。有名ですか?もしかしたら何度も耳にしてる曲なのにタイトルを知らないだけなのかしら。

テレビで見てたとき、うちの母が「ジョージ・チャキリスはこの頃は売れてて素敵だったのよ」と力説していたので、CCよりジョージ・チャキリスの印象が異様に強いです(^^;

>lalakiさん、紅玉さん

lalakiさん、イタリア映画の音楽は切ないのがありますねえ。
日本人の感性に合う部分ですね。
ニーノ・ロータも名作曲家です。私なら、やはり真っ先に思い出すのは「太陽がいっぱい」です。
イタリアン音楽の鑑賞、実行しました?

紅玉さん、「ブーべの恋人」の音楽…チョー有名ですっ!(と思うけど。)
いまどき、じゃないのかもしれません。
キリギリスみたいな名前のチャキリスですが、「ウエスト・サイド物語」に出た後で、チョー有名でしたよっ!
ですが、これはCCの映画なのです。チャキリスは脇にどけてください。

胸キュンでした!

聞きましたよー、ホントに。

いや~、年甲斐も無く、胸キュン(これ、日本では死語ですか?)でしたねー。

「ブーベの恋人」と聞いて、反射的に「花のささやき」と「ほほにかかる涙」が出てきたのですが、やっぱり、パッと出てきただけあって
それぞれのシンガー、ウィルマ・ゴイグとボビー・ソロが抜群に良かったですね。

今、本当にこういった「胸キュン」ポップスがありません。
思春期から青春前期の若い人に、こういう情緒が必要だと思うんですけどね。おせっかいですけど。

先日、たまたま、大昔の「3人娘」のショーを観ました。
といっても、百恵・順子・昌子ではありません。さらに昔の中尾ミエ・伊東ゆかり・園まりの、いまやグラン・マ「3人娘」です。

あの人達の時代は、イタリアンやフレンチ・ポップス大流行の頃でしたので、そうした「胸キュン・ポップス」のオンパレードで、楽しかったです。
特に、当時は必ず日本語で歌われていましたから、こうしたロマンチックなヨーロッパのフィーリングの伝道者であった価値は高いですね。

しかし、名訳詞を残した、漣健二氏や岩谷時子さんはエライ!

>lalakiさん

おわっ! ホントに聴きました?
「胸キュン」はですね、YMOの「君に胸キュン」以来、死語かも?(そりゃオーバーか。)

私は「花のささやき」「ほほにかかる涙」って分からないんですよ。聞けば知ってるかもしれませんが。

>思春期から青春前期の若い人に、こういう情緒が必要
これ、かなり賛成できますね。優しい心って、音楽からも養われるものだと思います。
胸キュンポップスの時代は、ちょっと世代的に前なんですが、そういえば小泉今日子さんは、どういうわけか、懐かしのポップス「カラーに口紅」とかリリースしたことがあるんですよ!

コニー・フランシスでしたね

たしか、「カラーに口紅は」。

そうなると今度は、レスリー・ゴーアだとか、ポール&ポーラだとか
じゃんじゃん出てきますねー。

7・8年前でしたか、「グレース・オブ・マイ・ハート」という映画があって
キャロル・キングだとかフィル・スペクターだとかの、’60のポップスの作り手達の映画があって
歌い手ばかりか、作り手も、アメリカ自体も青春時代だったよき時代の話で
面白かったです。(マニアックに言うと、プリル・ビルディング・ティン・パン・アレー一派のハナシです)

じゃ、今度はアメリカン・オールディーズ引っ張り出そうっと。

>lalakiさん

とってもノリがいい曲でした、「カラーに口紅」。
「素敵な16歳」というのも歌ってました、キョンキョン。♪ハッピバースデー スイート シックスティーン♪というヤツ。

レスリー・ゴーアは知らないです。ついていけない範囲に入りつつ…?
きょうは、アメリカン・オールディーズに浸りまくりですか?


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