![]() 原作は村松梢風、脚本は依田義賢。美術は水谷浩。 五代目・尾上菊五郎の養子である菊之助(花柳章太郎)は、弟の乳母お徳(森赫子)に、芸のつたなさを意見される。 はじめて、面と向かって、きちんとした批判を受けた菊之助は、お徳を心にとめるようになる。 そんな2人の様子を知った母親は、お徳に暇を出して彼女を遠ざける。菊之助はお徳を探し出すが、ついに親に許されず出奔する。 大阪で芝居に出ていた菊之助のもとに、お徳がやってくる。 旅回り一座にまで落ちた菊之助だが、お徳は彼を支えつづけ…。 溝口監督の芸道ものの1本。歌舞伎の世界での役者の浮き沈みと、あくまで、男を支援していく女の話。 森赫子は、もりかくこ、と読む。新派の女優さんで、目をわずらって引退してしまったのだそう。控えめで優しげな声。惚れた男に尽くす役だが、最後には、ほんとにそれでいいの?とも、ふと思う私なのであった。 こういう生き方は、いまどきなら、どうなのだろうか。 (以下、段落が変わるまでネタばれ) ラストシーンは悲しい。舟乗り込みで注目を浴びる男と、男のその光景を思いながら、お囃子を聞きながら、ひっそりと息を引き取る女。その対比の悲しくも見事なこと。 これは、菊之助の残「菊」物語ではなくて、お「徳」が無「残」な「残徳物語」でしょ。 双葉十三郎さんによると、「…溝口監督はこの作品で一シーン一ショット演出を定着させ、格調ゆたかな秀作を生み出した。…」とのこと。観ていたときは気づかなかった。(そういうことは、あまり気にしてないんですね。) 菊之助が、すいかを切るシーンでは、切り方が気に入らないと、監督が撮り直しを繰り返し、用意したすいかがなくなってしまったそうだ。 徹底的に、自分の作品には、こだわる監督だったのですね。 日本映画にありがちな気がするのだが、聞き取りにくいところあり。 優秀映画選奨の第1回文部大臣賞、キネ旬2位。 1956年に、島耕二監督、長谷川一夫、淡島千景主演、1963年に大庭秀雄監督、市川猿之助、岡田茉莉子主演で再映画化されている。 (11月25日) 1939年作品 監督 溝口健二 出演 花柳章太郎、森赫子、河原崎権十郎、梅村蓉子、高田浩吉、伏見信子 トラックバック: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]様、ぶーすかヘッドルーム・ブログ版様、健忘亭日乗様、ソウウツおかげでFLASHBACK現象様、残菊物語@映画生活様、映像全般を楽しもう(ブログペットのグループ) 評価☆☆☆(3点。満点は5点) ![]() |
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TB有難うございます
あの黒いサングラスは目を患っていたんですか‥。ドキュメンタリーでの監督とのエピソードや撮影の苦労話は面白かったですよね。 これもみてみたいです。 監督が溝口健二 で脚本は依田先生とあれば。 参考になりました。 ありがとうございます。
>ぶーすかさん、bobさん
ぶーすかさん、文中には書きませんでしたが、ネットで調べてみたら、失明まで至ったとありました。でも、70歳代まで生きられたそうです。ドキュメンタリーは14日の再放送を狙います! bobさん、溝口、依田コンビ作は、かなりの本数あると思いますよ。ぜひ、チャンスがあればご覧ください。
[2006/12/03 19:56]
URL | ボー #0M.lfYJ.
[ 編集 ]
ワンカット・ワンシーン
ボーさん、毎度有難うございます。 これ以前から比較的長廻しを使っていた溝口監督ですが、この作品は完全なワンカット・ワンシーンと言うべき個所が多かったです。 双葉さんは私の映画分析術の師。付き合いはかな〜り長いです。と言っても一方的なんですけど(笑)。
>オカピーさん
私は、どうも長廻しなどの撮影テクを気にしないで観ていることが多いので、気がつかないことが普通なのです。もう少し注意してみたいものです。 双葉さんの映画評の本は、以前から一度、しっかり読んでみたいと思っています。読めば面白いんですけどね。
[2006/12/04 08:33]
URL | ボー #0M.lfYJ.
[ 編集 ]
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・残菊物語(「龍の目」さん) ・残菊物語(「或る日の出来事」さん) <歌舞伎の名
[2007/12/13 23:15] すずめの映画日記 ![]() |
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或る日の出来事 |
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