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2024-03

「ルナシー」 - 2007.01.27 Sat

今年の1本目は「ルナシー」。最近は1年の初めに観る映画は、なるべく映画館で、と考えて実行している。
ポスター
「ルナシー」というタイトルを聞いたときに思い出したのが、音楽のほうのグループだったのは言うまでもない。
どうして同じ名前をつけるのだろうかと、いぶかりながらも映画を観て、観たあとも当然のように解決せず、先ほど英和辞典をひいて、やっと分かった。
lunacyは「精神異常、狂気」という意味だった。映画の中では文字通り、精神病院が舞台にもなるし、ヤン・シュワンクマイエル監督の意図にも、ふさわしい単語だろう。
音楽のグループはLUNA SEAで、「月と海」の意味。ただ、インディーズ時代にはLUNACYという名前だったようで、あながち、この映画とも無縁ではなかった。

シュワンクマイエル監督の映画は以前テレビで「悦楽共犯者」(1996年)、「ファウスト」(1994年)を観ていて、よく分からんなりに、シュールで面白いイメージの記憶があった。それまで見たことがないスタイル。
それで新作にも期待したのだが…期待したほどには面白くなかった。なぜか睡魔と戦うハメにもなってしまった。

あとから思うに、まともにストーリーを作りすぎたのかもしれない。そこからして、唯一無二の地位から、少しく普通に堕してしまったような印象。

強迫神経症気味の男が、知り合った侯爵や若い女の奇矯(ききょう)な振る舞いに翻弄される。
マルキ・ド・サドやエドガー・アラン・ポーから着想を得たということで、それらしき展開があり(私には、あ、これは「早すぎた埋葬」だな、くらいしか、はっきりとは分からなかったが)、キリスト批判や、正義の仮面をかぶって行なう精神病患者への残虐行為など、言いたいことは少しは分かる気はする。信じていた女が淫蕩だったりするのを見ても、ここには「不道徳」が満ちている。
まともに見える世の中は、実はめちゃくちゃなんだよ、と見てもいいのかもしれない。
それとも、すべては単なる監督の「遊び」の芸術なのかもしれない。
特典の「13の体罰カード」1つは3連
画像は、特典の「13の体罰カード」。1つのシートに3枚収まっている。
冒頭で監督は、芸術は死んだ、という。そうではあるまい。「これから見せる映画は(一般的ではないが、)私が見せる芸術」と言っていると同義に思える。監督一流の「お遊び」である。
ただし、見せてくれた芸術が、私にとっては面白くなかったのだ。
もっと、わけが分からなくてもいいから、キレのある印象がほしかった。

しつこいくらいに挿入される、肉片(舌?)が這いずり回る映像。何の意味なのか分からない。肉片イコール人間で、ただ這いずり回る人生を送るのが人間なのか。肉片イコール肉欲でもあるのか。(肉片には、そういう生々しさがあるし。)
監督は、観客に、どのように意味を取られても構わないのだろうか。もともと意味はないのか。
肉片が這うのが、ただ面白い、深い意味がある、と見ることができる人はいいが、そうでなければ見ていて何も面白くない。その繰り返しには、うんざりするだけだろう。

他にないユニークさを含んだ映画作家であることは認めるが、本作には、いまひとつ乗れなかった。

(1月7日)

この記事の分類「映画感想(私にとっての難あり映画)」についての説明は、こちら

SILENI (LUNACY)
2005年 チェコ作品
脚本・監督 ヤン・シュワンクマイエル
出演 パヴェル・リシュカ、ヤン・トジースカ、アンナ・ガイスレロヴァ

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レザボアCATs様Lunacy ルナシー@映画生活様シネマトゥデイ様エキサイト:シネマ様goo映画様、映像全般を楽しもう(ブログペットのグループ)

評価☆☆(2点。満点は5点)

● COMMENT ●

おはようございます

この作品が今年の一本目だったのですね!
この作品、どこかでまだ上映していたのですね。
私も今年一本目は『ダーウィンの悪夢』。少し外してしまいました。
この映画は、見た後すぐにはあまり面白くなかったのですが、ブログ記事を書いて推敲しているうちに、だんだんと面白くなってしまった、不思議な作品でした。

>とらねこさん

おはようございます。
これ、新宿のK's cinemaという映画館で観ました。めったに新宿は行かないのですけども、ここでしかやってなかったのです。近くのディスカウントショップで前売券を見つけてラッキーでした。
期待したほどではなかったけど…というところでしょうか。

ボーさんとこにルナシーを見つけて嬉しいです^^
わたしもやっとみました~
正直に言うと、ずっと期待してた割りには私も眠かったんですが^^;
もうちょっと短くすれば良かったかな?

ずっと「精神病院が舞台」と思ってたんで
いついくの?とすごくそこまで長かったですね。
もしかして最初っから精神病院の患者が見てる夢なの?と思ったりして。

ではTBお願いします♪

わさぴょんさん、私は前に観ていたシュワンクマイエル作品が面白かったので、これも観に行ったのですが、ちょっと、それほどでもなかったんですよね。
前知識があると、精神病院までが長いと思うかもしれませんね。
乗れなかったとはいえ、こういう不道徳っぽいところを突く映画自体は好きです。
彼の他の作品も、いずれチェックはしたいと思います。


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134.Lunacy ルナシー

私にとっては初のヤン・シュバンクマイエル監督作品だった。そもそも、初めに自分でテーマを述べられてしまうと、それをどこをどう裏切るか、と期待してしまうのだが、あまりストレートにそのままだと、落胆してしまったりするのだがこれはいかがなものか、と思いつつ見てい

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「ルナシー」・・・80点

ヤン・シュヴァンクマイエル「ルナシー」販売元:コロムビアミュージックエンタテイ

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という感じ。★を0.5点とします。星5つは、ほとんどつけませんから、4.5点なら最高と言えます。 自分にとって面白いかどうかが重要で、世間の評判や、意義がある映画である等々は重要視しません。
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  • HP「シネマ停留所」の管理人でもある。♂。単純に映画が好き。綺麗な女優が好き。マリリン・モンローさんは、わが永遠のミューズ。

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