FC2ブログ
topimage

2019-11

「魂萌え!」 桐野夏生 - 2007.03.31 Sat

「魂萌え!」カバー
図書館で見っけ! 即レンタル! のパターン。
テレビドラマや映画にもなっている小説ですね。
タイトルから想像していたのは、ちょっと飛んでる系の話かと。だって、「萌え」だもんねえ。
ところが、まともな話だった。

いままで主婦として、たぶん平凡に過ごしてきた59歳の女性が、夫の急死によって、いきなり生活が変わる。
子どもとの相続の問題や、夫の秘密に直面していく。
男性との関係にときめいたり、友人や息子の嫁や夫の知人たちと新たな関係を築いたりするのが、魂の「萌え」といえるだろうか。
さまざまな出来事を経験していくうちに、精神的に強くなっていく59歳のヒロイン。

ラストの彼女の反応は意外で、それゆえに印象に残る終わり方だ。
普通は、そこまで大らかになれないと思うけど、それほどまでに、物事にとらわれなくなった、という表現なのだろう。解放されたんだなあと、爽やかさを感じた。
この小説では、魂の萌え=心の成長、と受け取ってもいいのかも。
最終章は「燃えよ魂、風よ吹け」だもんね! 困難を乗り越えてきたヒロイン、どーんとこい! 行け行け! です。

新聞の連載だったようで、だから、そんなに過激なストーリーは書けなかったというか、選ばなかったのかな、と思った。
これまで読んできた桐野作品、「グロテスク」「I'm sorry,mama アイム ソーリー、ママ」「ダーク」などに比べたら、普通っぽい。
とはいえ、面白さは変わらず! ハードだから、ということで桐野さんの小説を敬遠している人にとっても、読みやすいはず。

いちばんスゴイ読みどころは、妻が夫の愛人を訪ねていって対決するシーン。単行本にして17ページに及ぶ。迫力満点!
対決といっても決闘するわけではなく(当たり前か)、話し合うんだけど、火花がバチバチ散るんですねー。
でも、相手に対する単なる憎しみではなくて、同じ男と関わった仲間意識というのか、その男を失った仲間としての同情のようなものさえ見え隠れする心理
人の心というのは複雑ですよね。

桐野夏生さんらしく、いい人らしい登場人物に見えても、簡単には、ただの善人に、しない
立派な人と思ったら夜逃げしたり、好意をもった男性がちょっとしたウソを言っていたり。
人間、そんなものでしょう。まるで隠すことや引け目などのない聖人君子は、かえって気持ち悪いよね。

映画のキャストは、ほとんど知らないけど、そのうち観てみたい。小説のイメージを引きずらないように。

(3月16日読了)

トラックバック:
本が好きな人(ブログペットのグループ)

● COMMENT ●

ドラマ版を観ました。

描かれていること自体はかなりドロドロの深刻路線なのだけど、「この原作って、本当に桐野さん?」と思うほど飄々とした内容に仕上がってて面白かったです。
ちなみに、映画版キャストは風吹ジュンさん(奥様)vs三田佳子さん(愛人)だそうですよ。個人的には、ドラマ版の高畑淳子さんと高橋恵子さんの方がハマリ役だと思いますが、原作読破のボーさんとしてはどんなもんでしょ。

>ハードだから、ということで桐野さんの小説を敬遠している人
ハイ。(挙手)
元気が出る内容みたいなので今度挑戦してみま~す。

>小夏さん

ありがとうございますっ。
ドラマ、見てたんですね。私は一目も見ませんでした!
奥様のほうは、高畑さんのほうがイメージですが、風吹さんは最近見ていないので、意外と合ってるのかもしれないし…。
愛人は、三田さんだと、落ち着きのある大物すぎる気がしますね。

面白いので、興味が湧いたら、手を出してみてくださいねー。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/837-2e670492
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「魂萌え!」

「魂萌え!〈上〉〈下〉」  桐野 夏生:著  新潮文庫/2006.12.1/514円 「平凡な主婦」が直面せざるを得なくなったリアルな現実。もう「妻」でも「母」でもない彼女に、未知なる第二の人生の幕が開く。         <帯より>

「魂萌え!」

「魂萌え!」映画の楽校」上映会県民ホール アクトホールにて ■ポスターおもしろくて、深く心に刺さり、泣けた。さすがも桐野夏生原作で、脚本・監督が阪本順治である。女の醜い所も、グロさ、ヒステリックな部分なども包み隠すことなく描いていた。

お知らせ «  | BLOG TOP |  » 今年もクンシラン

おなじみの映画ブロガーさんの多いgooブログもTBを廃止。多くのブログがTB廃止の事態になってきた。こうなると、TBから記事をたどることができないブログが多くなる。ブログのURLをお気に入りなどに登録して、何を書いているのかなと、いつも見回りに行くしかない。

マリリン応援+映画雑文などのブログ。
下のほうにアクセスランキング、ツイッターがあります。



日本マリリン・モンロー・クラブ 会員募集中!

このブログのトラックバック・ポリシー (2009年1月10日、修正)

過去の記事の一部には「ブログランキング参加中~」という文面がありますが、現在はブログランキングから離脱しています。該当するすべての文章を削除することは大変なので、そのままにしてあります。

映画感想の「好き度」について。
☆☆☆☆☆(5)…GREAT!文句なし!
☆☆☆☆(4)…FINE!かなり、いいぞ!
☆☆☆(3)…GOOD.観て損はないかな。
☆☆(2)…NOT SO GOOD.ちょっとなあ…。
☆(1)…BAD!いいかげんにせい!
という感じ。★を0.5点とします。星5つは、ほとんどつけませんから、4.5点なら最高と言えます。 自分にとって面白いかどうかが重要で、世間の評判や、意義がある映画である等々は重要視しません。
好きだなあと思ったら3.5点に星が到達。


クリックで救える命がある。

小鳥頭
忘れっぽい人の同盟。
クリックしたら説明があるかもしれない
(忘れた)。


プロフィール

ボー・BJ・ジングルズ

  • Author:ボー・BJ・ジングルズ
  • HP「シネマ停留所」の管理人でもある。♂。単純に映画が好き。綺麗な女優が好き。マリリン・モンローさんは、わが永遠のミューズ。

ブログ内検索

最近の記事

最近のコメント

最新トラックバック

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

アクセスランキング(30日分累計)

Twitter

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSフィード