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2019-11

「ブラックブック」 - 2007.04.14 Sat

ポール・バーホーベン監督の新作、しかも監督の母国オランダで撮ったという。
第2次大戦中、ドイツ軍将校のもとにスパイとして潜り込む女の話。

バーホーベンと聞いただけで、ほとんど、観に行こうと決めていた。けっこう好きなのだ。
特に「スターシップ・トゥルーパーズ」(1998年)は、圧倒的に面白く、強烈に戦争を皮肉に描き出した映画だった。
「ショーガール」(1995年)で最低映画賞であるゴールデン・ラズベリー賞をとってしまうのも、ご愛嬌(あいきょう)。
透明人間のお話「インビジブル」(2000年)も単純に面白かった。
エロスとバイオレンスが特徴と言われる。人間の偽善や暗部を画面にさらけだす、強引ともいえるパワーが素晴らしい。
自分のカラーを出しながら、娯楽色のある映画を作るのが、はっきりした態度で、いいのである。

ポスター
この「ブラックブック」、すごく、まともだった。チカラ入ってます、バーホーベン。
「アンネの日記」のアンネのように隠れて暮らしているヒロイン。ナチスの迫害を恐れるユダヤ人だ。
彼女が、ある理由から隠れ家を出なければならなくなるところから、物語は動いていく。
反ナチの地下組織に関わった彼女は、ドイツ軍への恨みもあり、やがてスパイ役を引き受け、ナチス将校の情婦になる。
彼女の正体を知った女友達に、(スパイだなんて、)あなた、マタ・ハリね、などと言われるシーンもあった。マタ・ハリは第1次大戦中の伝説的な女スパイ。

バーホーべンらしいエロ場面(?)は、まず、アンダーヘアを染めるところ。髪の毛を染めたので、男とベッドインしたときに怪しまれないように、下の毛も染めているのだ。ここでアンダーヘアが包み隠さずに画面に映る
あとは、ドイツ軍将校の裸を正面から映した場面もあったが、こちらはボカシが入っていた。日本の映倫、まだまだ幼稚である。

ところで、初日の特典は、カカオ分の多い外国産チョコレート。これ、実は映画と関係があったのだ。
しかも、かなり重要。かつ、ホントかよ? でも面白い、という場面でもあった。
このチョコ、苦くて、そのままではとても食べられなかったのだが、アイスクリームと一緒に食べてみたらOKだった。カカオ分の多いチョコはダイエットにも使えるというが、アイスクリームと一緒に食べたら、その意味では使えないね!

初日の初回、思ったより込んでいて、(たぶん)関係者数人で喜んでいる姿を目撃。同時期に公開中で、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「善き人のためのソナタ」に出ているセバスチャン・コッホが、こちらの映画には将校役で出演していることも、観客を呼んだ理由のひとつかもしれない。
(あ、裸をさらすのはコッホさんではないですよ、念のため。笑)
まさか、特典目当てで来ているわけではあるまい。(私は、多少…。)

スターが出ていないぶん、小ぶりで地味、しかも上映時間が2時間24分と長いけど、私は楽しめた。
いいじゃないの、バーホーベン、たまには(?)真面目に作っても。オランダ出身の彼だからこそ、オランダの地で、祖国のレジスタンス活動を描く映画を作る意義も資格もあったはず。

ドイツ軍将校とともに
(c) 2006 Zartboek Productie BV

爆撃機が戦闘機に攻撃されて損傷を受け、爆弾を投棄する場面は、はじめて見た。重い爆弾を持ったままでは、飛行に支障があったり、引火する恐れもあるのかもしれない。よく分からないが。ここは印象的だった。

ラスト。イスラエルにあるキブツ(共同体社会)に、兵士がいるのを見逃してはならない。
1956年のスエズ危機。またしても戦争の波が押し寄せているのだ。
人間の裏側にある、裏切りや憎しみ、邪悪な欲望は、自らそれを捨てない限り、尽きることがない。そうした心が戦争を呼ぶのである。

(3月24日)

ZWARTBOEK (BLACK BOOK)
2006年 オランダ・ベルギー・ドイツ・イギリス作品
監督 ポール・バーホーベン
出演 カリス・ファン・ハウテン、トム・ホフマン、セバスチャン・コッホ、デレク・デ・リント、ハリナ・ライン、ワルデマー・コブス

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評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)

● COMMENT ●

こんばんわ~!コレ、見たいです。
で、ボカシですか(妙なところに反応です)。
英語を話す英語圏の俳優、女優を使わず、ヨーロッパの地元で真っ向勝負!なんだそうですね。
その辺はいかがでしたか??
全然違う話ですが、『ブラックブック』と『ブラッドダイアモンド』を同時に上映してるので題名がこんがらがります(汗)

>uniko@ニャンくんさん

そういえば、英米の俳優は、いなかったんですね。考えていませんでしたが、リアリティは増したのではないかと思います。
…ボカシです。ボカされてると、映画そのものが損なわれているようで、感心しないのです。
「ブラッド・ダイヤモンド」は私も「ブラック~」と間違えてたことがありました!

戦争の落とし子

この監督には興味があります。作品が特に好きというわけではないのですが、インタビュー記事を読んでから納得するものがあったのです。

「トータル・リコール」か何かのキャンペーンの時のものだと思いますが、何でも、彼が物心付いた当時の母国のオランダは戦争の真っ只中で、あらゆる種類の殺戮や強奪や破壊を経験し、命からがらの生活が続いたそうです。
あまりにもそれらの体験が強烈で、平和な世の中で暮らしている今も、どこかでその安らぎが信用できなくて、昔経験したそれらの地獄の様な体験にふと、居心地のよさのようなものを感じている自分がおり、こうして「ロボ・コップ」や「トータル・リコール」のような破壊的な映画を撮り続けている原動力になっている、というような内容でした。当然そこには自責の念もあったと思います。

ですので、オランダに帰ってこうした内容の映画を撮るということは、いよいよ本当に自分の撮りたいものを創造しだしたのではないか、と思う訳です。
ポランスキーの「戦場のピアニスト」にも、そのような創作の必然性のようなものを感じました。そのような作品にはやはり、好き嫌いのレベルを超えた、何か理解してあげなければすまされないような気にさせるものがありますね。

戦争映画

第二次世界大戦を舞台にした新作映画って、なかなか観ることができなくなったし、
題材も良さそうだったので、観たいな~と思っていた映画です。
まだやってますよね。

>lalakiさん、kiyotayokiさん

lalakiさん、そういう記事があったのですか。監督の年齢から察して、子どものときに第2次大戦だった、というのは分かっていましたが、やはり、それほどの悲惨な渦中にいたのですね。
映画を観るときには、ほとんど前知識は入れないので、オランダで、地元の俳優を使って作る、ということに意味があったのではないかと勝手に思っていたのです。
とにかく、この作品は、戦争を経験した彼にとって、作らなきゃいけないもの、だったのではないかな、と。

kiyotayokiさん、まだ、やっていると思います。3月24日が初日ですから、3週間経ったところですか。あ、でも不入りだと、そのくらいで終わってしまう場合もありますね。「DOA/デッド・オア・アライブ」なんて、そんな感じでしたよ! 油断なさらないように!

今さらですが

2本立て映画の一つでこの「ブラックブック」を観ました。
いや~面白い映画でした。
劇中の主演女優の歌も良いですよね。

戦争映画というと
ナチス=悪者
レジスタンス=正義
のような描かれ方が多い中、実は一番悪いのは欲に駆られた人間だった。
それを思い知らされた映画でした。
この映画ならもう一度観たいと思わせてくれました。

>kabochaさん

コメントありがとうございます。
オランダ人監督が自国で作っただけあって、リアルな内容だったと思います。
このオランダの俳優さんたち、いろんな他の映画でも観てみたいものですが、難しいでしょうね。

2本立てですか! もう1本は何だったんでしょう…。

もう一つは

ハンニバル・ライジングでした。
こっちも恐かったです・・・。
両方とも戦争が大元の原因ですね。

自分としてはブラックブックの方が印象に残ってます。

>kabochaさん

レス、ありがとうございます。
レクター博士の若かりし頃の映画ですね。私は、DVDかテレビ放送待ちです。
舞台として日本も…という話なので、多少興味もある作品ですね。

ブラックブック

ボーさん、TBありがとうございました!
そうか、こういう風にやれば相手側も同時にTBできますね~o(゚.゚)
TB返しって、結構面倒な事もあるので(昔の記事だったら特に)
なんとか出来ないかなぁ~と思ってたんで、参考にさせてもらいたいです!

ところで、ボーさんの記事&皆さんのコメントを読んでると
なんか監督の「業の深さ」のようなものを感じました。
これをやらなきゃ前に進めない・・・みたいなものがあったんでしょうか。
現代しか知らない日本人には理解しにくいですが・・・
まだまだ世界は広い、と再認識させられました(>_<)

>わさぴょんさん

ん、「相手側も同時にTB」って、私が文中でわさぴょんさんの記事にリンクしていることですか?
映画ブログでは、一般的に、一方的なTBが通用してますが、これはダメ、という意見もあります。
我が家のブログで「記事の分類」から「トラックバックについて」を読んでいただくと分かると思います。
いまは私も、一方的なTBでも、世間の流れとして普通に受け入れてますが。

バーホーベン監督、やはり子ども時代の思い出というのは、大きいものじゃないかなーと想像します。実際、どのくらいの影響なのかは本人しか知らないことですけどね。


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