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2020-12

「毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」 - 2007.05.27 Sun

ニコール・キッドマン嬢の映画が公開される! と知って、どこで上映するんだろうと調べてみたら、関東では、渋谷と千葉の2か所だけ…!?

ニコールなのに、なんで、こんなに縮小(?)公開?
それでも行きましたとも。
実在した写真家のお話、という知識だけしかない状態で。

まずカメラは、バスに乗って撮影取材に出かけているらしいダイアン(ニコール)を映す。ときは1958年。
彼女が向かったのは、ヌーディストのコミュニティ。
対応に出た中年のカップルもオールヌード。撮影するなら、あなたも脱いでください、といわれるダイアン。
ダイアンが脱ぐ前に、画面は切り替わり時間をさかのぼるが、しょっぱなからヌードというので、日本で18歳未満お断り(アメリカは17歳以下は保護者同伴のR指定)&単館系で上映映画館が少ない理由の一端が分かった。
映画の始めにヌードで目をひくのが、狙ってやったことなら、少し、あざといとも思うが。


カメラを持つダイアン(ニコール・キッドマン)
(c)MM VI NEW LINE CINEMA PICTUREHOUSE
HOLDINGS,INC./HBO PICTUREHOUSE
HOLDINGS,INC.ALL RIGHTS RESERVED.

ダイアン・アーバン(映画では正しくは「ディアン」と言っていた)は、1923年生まれで、写真家の夫とともにファッション雑誌や広告の分野で活躍、やがて彼女独自の視点をもった写真を撮り始める。
「わたしが最初にたくさん撮ったのはフリークスだった」という言葉もあるように、特徴的なのは、フリークス(異形、奇形)の写真のようだ。
1969年に離婚、1971年に自殺。

映画は、彼女の伝記ではなく、オマージュを捧げたものだと、まず断っている。つまり彼女が、いかにして異形の写真家へと生まれ変わったのか、その瞬間を、多くのイマジネーションとともに描いている。

夫のアシスタント的な人生を送っていたダイアンは、アパートの上階に越してきたライオネル(ロバート・ダウニー・Jr)の、かぶり物をした異様な姿を見かけ、興味をひかれる。
それが、彼女の中に息づいていた、奇妙なものへの興味を呼び覚ます、きっかけだった…。

写真を撮りたいという理由で、上階のライオネルの部屋に足しげく通うようになるダイアン。
ライオネルは、ダイアンの心の奥の欲望を見抜いているかのように、刺激的な言葉をかけたり、2人でお風呂に入ったり。不思議な、しかし、深い交流が展開していく。
やがてフリークスたちがアーバン家に遊びにくるようにもなり、下の娘は屈託なく付き合うが、夫は、いい気持ちはしない。ライオネルに対する嫉妬もある。

ダイアンが天井のネジ止めをはずして階段を下ろし、自分の家の部屋とライオネルの家の部屋をつなげるところは、まるでマリリンの「七年目の浮気」の一場面。
下りてきたのはマリリンではなく、フリークスたちだったが。

風呂でライオネルを見ないように目隠しをされるダイアン
(c)MM VI NEW LINE CINEMA PICTUREHOUSE HOLDINGS,INC.
/HBO PICTUREHOUSE HOLDINGS,INC.ALL RIGHTS RESERVED.

ダイアンとライオネルの触れ合いが印象的なラブストーリーだった。
ニコールは相変わらず、きれいです。後ろ姿のヌードまでは見せてくれます。スリムだけど、おなかあたりとか、意外に「ふっくら感」もありそうで、熟れてるなあ…。。。(あとで考えたけど、そのシーンだけボディ・ダブル〔別人〕という可能性は…あったかなあ?)

スティーヴン・シャインバーグは「セクレタリー」(2002年)の監督。私は「セクレタリー」は観ていないのだが、秘書が尻をたたかれるようなビザール系(奇妙な、とっぴな、変わってる)らしいから、この「毛皮のエロス」とも奇妙な題材を扱う傾向としては似ているのかもしれない。
また、シャインバーグ監督のおじさんが、ダイアンの友人だったという。彼にはダイアンの映画を作る縁があったのかも?

ニコールの女優魂は素晴らしい。
大スターなのに(だから?)、映画のヒットは度外視して、こういう芸術作品系を選んで出演することが多いのも、いいところ。
自分のやりたい役をやる。そういう状況にある彼女は幸せなのだろうし、それが演技者としての、ひとつのあり方に違いない。
これからも応援します。

…あんな毛皮に包まれたら、どんな気持ちになることか。

(5月26日)

FUR : AN IMAGINARY PORTRAIT OF DIANE ARBUS
2006年 アメリカ作品
監督 スティーヴン・シャインバーグ
出演 ニコール・キッドマン、ロバート・ダウニー・Jr、タイ・バーレル、エミー・クラーク、ジュヌヴィエーヴ・マッカーシー

ライオネル(ロバート・ダウニー・Jr)とダイアン
(c)MM VI NEW LINE CINEMA PICTUREHOUSE HOLDINGS,INC.
/HBO PICTUREHOUSE HOLDINGS,INC.ALL RIGHTS RESERVED.

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評価☆☆☆(3点。満点は5点)

● COMMENT ●

ニコールって

スター女優なのに、結構小品とか、変わった作品とか、躊躇せずチャレンジしてますよね。だから、意外に小規模公開だったりして。

この作品も、一体どういう内容なんだろうと気になっていました。
実際のダイアン・アーバンさんは、この映画で描かれるほどフリークス写真に傾倒していたわけではない、という記事をチラッと見ましたが、本当のところはどうだったのでしょうね?

ロバート・ダウニーJr、完全復活したのかな?頑張ってほしいです。

TB有難うございます。

ニコール姐さんはトム兄貴と別れてもイイ仕事続けてますね。
素晴らしいです。
もちろん押しも押されぬ大女優ですが、意外と規模の小さい作品にも出てますね。

「記憶の棘」も日比谷シャンテシネの単館上映だったと思いますが、良い作品でした。
「バースデー・ガール」でも結構凄い役だったです。晩餐・カッセルも共演しているのに
新宿ジョイシネマ3のみだった記憶があります。
内容もヘヴィだったな。。。

個人的に彼女の映像で一番好きなのは「ステップフォード・ワイフ」の予告編ですが(笑)

http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id240029/

>紅玉さん、yes90125さん

紅玉さん、そうなんですよね、ニコールは単館系公開の映画が最近多いのです。
この映画は、フリークスを被写体にするようになる経緯に焦点をしぼっていますし、映画自体、伝記ではなくオマージュといっていることからも、実際とは違う面はあると思います。
ダウニーJr.は…じつは、素顔がなかなか出てこない役なのですよ。やりたくない俳優が多いかも。

yes90125さん、いらっしゃいませ。ありがとうございます。
挙げておられるニコールの作品は、すべて映画館で観ていますが、小品といえる映画も多いですね。
いろいろなジャンルの作品に出ているのも、観るほうとしては興味深くて楽しめたりします。
どうぞ、また遊びに来てください!

アーバスの写真集

映画、観ていないのでダイアン・アーバスの写真集を検索して見てみました。
いやいや、かなり刺激的な写真ばかりですねぇ。
この人の半生を描く映画だとしたら、いくら主演がニコールでも
やっぱり単館ロードショーになっちゃうかなぁ(^~^;。

>kiyotayokiさん

おおっ! 写真を検索ですか! 
さすがプロファイラーですねー。
私はダイアンさんを調べる途中で偶然見た写真は見てますが。

じつは美しいラブストーリーなんですけどねえ。
ヌードとセクシャルな内容や言葉によって、R指定、日本は18禁というのも、もしかして映画館には敬遠されちゃう要素になりえますね。

こちらにも~♪

これも見ようと思ってるんですよ。
ただ、二ヵ月後にDVDが出ると聞いて、ちょっと迷ってます・・・。
ニコール好きなボーさんの点数が低いのも、少し不安材料なんですよね。うーん、どうしましょ。
ボーさんは、これ、おススメですか??

>とらねこさん♪

そうなんです、公開時から、すぐ後でのDVD発売予定が決まってるんですよね。映画館でヒットしないと読んだので、早めにDVDで売ろうというのでしょうか。
私の考えは、映画館で観るのとDVD(テレビ)で見るのは同じではない、ということです。画面、音、雰囲気、気分などで、印象は違うものではないかと。
私なら、迷ったら、できるだけ観に行きます。

変わった恋愛ドラマなので、ツボにハマれば来ると思いますが、私には、それほどグッと来なかったので。でも、採点は気にしないでよいですよ。

管理人のみ閲覧できます

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>○○さん

それは、おもしろい視点ですね! ニコールほどになれば、ギャラは問題ではないのかも…。

こんにちわ!TBありがとうございます^^

「あー、そうそう!」な内容のレビューです~♪
「不思議で、深い交流」ですよね~
体だけつながって終わりではなく、もっと心の深いところでの交流。

でかなり後年になってから離婚したんですね。
やっぱりというか、意外と遅かったというか。
そして2年後に自殺なんて・・・

「セクレタリー」面白そう^^;見てみたい!

わさぴょんさん、思い出してみると、変わった内容の映画だったなーと思います。
剃り剃り、とか…。(それかい! 笑)

これが伝記映画として出されたら、本人、気にいるのかな…。映画は、オマージュだとして、ちゃんと逃げましたけど。

「セクレタリー」は、私もぜひ観たいです。公開時も気になってたんですよ。

こんばんは~

この作品、迷って迷ってどうしようかと思ってたのですが、結局DVD鑑賞になってしまいました。見た後、後悔しました。やっぱり行けば良かったなあ、と・・・

ニコールはこういう作品に出てくれるところが、またいいんですよね。
ニコールって、大人の女性なのに、少女のような面影もあって、こういう役が似合っているんですよね。

>とらねこさん

おはようございます!
上映している劇場が少なかったですが、ニコールは見逃せないと思って行きましたよー。
ニコールはいいですよね、お金目当てで映画に出ない(出なくてもすむ)ので、好きなものに出る感じで。しかも、ちゃんと役柄を、こなしてるし。
思い返すと、じつにユニークな映画でした!



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シェアブログminiに投稿 なんとなく不思議で、現実感から浮遊したような感触が心地いい作品。何より、ニコール・キッドマンが出ている、というのが魅力でもあり、それより自分には、ロバート・ダウニー・Jr.が出演しているってのも、同じくらいに魅力なのだ~

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