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2019-09

「サイダーハウス・ルール」 - 2007.06.29 Fri

DVDジャケット(海外盤)
「おやすみメインの王子、ニュー・イングランドの王」(“Good night, you prince of Main, you king of New England”)。
アメリカ北東部のニューイングランド地方、メイン州にある孤児院。その言葉を聞いて、子どもたちは幸せそうに眠りにつく。
この名場面を忘れることはないだろう。この映画を忘れることはない。

映画館で観たとき、映画が始まってレイチェル・ポートマンの担当した音楽を耳にしたとたん、ああ、これは、きっといい映画だ、と感じた。
すごく、いいメロディで、聞いた瞬間から名曲に思えた。

ラッセ・ハルストレム監督のつくる映画は、心に響く、滋味のあるものが多いが、本作は、その最たるものといえるだろう。
一言で言えば、若者の成長物語だが、父と息子の関係が大きなウエイトを占める。

実際の親子ではなく、孤児院の医者ラーチ(マイケル・ケイン)と、彼を手伝う孤児ホーマー(トビー・マグワイア)なのだが、ふたりの関係は、まさに父と息子。
事情があって子どもを育てられない女性が、この孤児院で出産して、そのまま子どもを置いていく。また、必要ならば、違法である堕胎手術もする。

堕胎のためにやってきたキャンディ(シャーリーズ・セロン)と恋人の軍人が帰る車に、ホーマーは乗せてもらうことにする。
外の世界を経験したい息子。
何かを求めての旅立ち。父親は、それを認めざるをえない。さみしくても。
親離れ、子離れである。

りんご園(サイダーハウス)で働くホーマー。
タイトルのサイダーハウス・ルールとは、小屋に貼ってある紙切れに書かれた規則だ。
「夜は屋根に上がらないこと」など、たいしたことは書いていない。ボスは言う。俺たちのルールは俺たちで決めるんだ、と。

自分にとって大切なルールは、自分で決める。それが成長だ。自分の人生は、自分で切り開け。

ある出来事のために、ホーマーはラーチ医師の生き方の正しさを知る。
人生は、きれい事だけでは、すまないのだ。
エンディング近くでは、ラーチ医師の父親としての愛情のダメ押しもあって、ホーマーはもちろん、われわれ観客も感動せずにはいられない。

過ちもするけど、いっしょうけんめい生きている。
何かをあきらめ、何かに向かっていく。
生きるとは、そうしたことの繰り返しか。

ホーマーとキャンディの恋の行方も切ない。

原作者ジョン・アービングが脚本も書き、アカデミー賞ではマイケル・ケインの助演男優賞とともに、脚色賞を受けた。

(6月24日)

THE CIDER HOUSE RULES
1999年 アメリカ作品
監督 ラッセ・ハルストレム
出演 トビー・マグワイア、マイケル・ケイン、シャーリーズ・セロン、ジェーン・アレクサンダー、キャシー・ベイカー、デルロイ・リンドー、キーラン・カルキン

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評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

自コメ

おやすみ埼玉の王子、日本の王。
…私?(笑)

TB有難うございます。

この作品の後に「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」を観たのですが、これはホーマーの少年時代の物語で、こちらはイングマル少年の成長した姿を観ているような感じがしました。りんご園で働く親子のエピソードはかなりショックでしたが、楽しいことだけでなく、辛く悲しい事も人間を成長させてくれる試練なんだ…と思わされました。この今までに観たこの監督の作品、皆好きです。

>ぶーすかさん

なるほど、私は「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」は、ずいぶん以前に観たので、「サイダーハウス・ルール」との関連づけはできませんでしたが、そういう見方も面白いですね。

どんなことも起こりうるのが人生、立派そうに見えても、どんな秘密があるのかも分からない、といったような深さもある映画でした。
いい監督さんです。

これ好きでした!

おっしゃる通り、優しくて、いい映画でした。
こういう、古いアメリカの映画のテイストを感じさせる良質な映画って、ときどき見たいんですよね。
マイケル・ケインは当然として、シャーリーズ・セロンも、トビー・マグワイアもすごく良かったですね。
『カサノバ』もすごく良かったですね。

>とらねこさん

「カサノバ」! ハルストレム監督だったんですよねー。題材がハルストレムらしくない気がして、チェックしそこねました。
そのうち観てみないといけません。
「サイダーハウス・ルール」は、本当に質がいい作品ですよね。監督の持ち味が、よく出ていると思います。

&ブログペットの「きりぺタ」踏んでいただき、ありがとうございました!

ボーさん、こんにちは!
これ、再鑑賞してみました。
本当に深く心に刻み込まれる映画ですよね。

私も「おやすみメインの王子・・」のセリフ、大好きです!
特に最後、ホーマーがラーチ医師の跡を継いで言うところ。
子供達の最高にうれしそうな笑顔で、とても温かい気持ちになれました。

観てる側としたら、ホーマーの居場所は孤児院に決まってるじゃん!
と思うんですが、外の世界で学んだ経験はとても大切でしたね。

>YANさん

コメ&TBありがとうございます。
この映画は思い出すと、じーんとしてきますね。
再観賞に耐えるどころか、もっと良く見えるかもしれない映画。
外の世界で学ぶ必要があることって、あるんですね。生きることは大変であり、かつ、素晴らしいって、感じさせてもくれるような、いい映画です!


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サイダーハウス・ルール

 コチラの「サイダーハウス・ルール」は、「ガープの世界」、「ドア・イン・ザ・フロア」のジョン・アーヴィング原作、そして脚色を彼自身が手掛けたヒューマン・ドラマです。監督は、ラッセ・ハルストレム監督。  孤児院で生まれ育ったホーマー(トビー・マグワイア)

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